2018 Fiscal Year Research-status Report
簡便かつ非侵襲的な神経活動修飾による運動機能改善の試み
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17K13112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 剣人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (80735457)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 静磁場刺激 / 一次運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、静磁場刺激が力調節課題に与える影響についての実験で得た結果をまとめ、英文科学雑誌に投稿した。その査読過程において、被験者数を増やすことを指摘されたため、追加実験を行い、被験者数を20まで増やした。その結果、それまでのバージョンと傾向は変わらなかったため、結果の信頼性が増大した。最終的に、静磁場刺激がヒトの運動パフォーマンスを変調させた最初の報告として、Neuromodulation誌に掲載受理された。
さらに、脊髄神経回路機能を修飾する非侵襲的刺激法を提案するため、末梢神経電気刺激によってIa感覚神経を発火させ、同時に筋腹刺激を行い、両者を組み合わせることで、脊髄反射弓のシナプス結合を修飾させることを目的とした実験系の構築を行った。刺激装置が二台必要なため、末梢神経刺激用の電気刺激装置を作成し、反射を誘発するのに十分な刺激強度で刺激できることを確認した。また、二つの信号が運動ニューロンに到達する時間差を計算するため、末梢神経刺激によるH反射の潜時、筋腹刺激によるM波、F波の潜時を調べ、末梢神経刺激による反射信号が脊髄運動ニューロンに到達する時間および筋腹刺激による逆行性信号が運動ニューロンに到達する時間を算出することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の実験結果をもとに論文を執筆し、査読・追加実験を経て、国際科学雑誌に掲載受理されたため。 また、脊髄神経回路を修飾するための実験についても、先行研究レビューや予備実験を行い、問題点等を抽出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の予備実験・実験系構築準備をもとに、プロトコルを確定させ、健常者対象とした本実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
脊髄神経回路修飾のための実験について、予備実験や実験準備に時間を要し、本実験開始に到達しなかったため、謝金や消耗品、論文の英文校正・掲載等にかかる費用を必要としなかったため。
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Research Products
(4 results)