2019 Fiscal Year Research-status Report
簡便かつ非侵襲的な神経活動修飾による運動機能改善の試み
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17K13112
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中川 剣人 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師(任期付) (80735457)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 力発揮のばらつき / TMS / 脊髄運動ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
力調節一次運動野への静磁場刺激を行うことで、力調節機能の正確性が低下することを示した研究結果(Nakagawa et al. Neuromodulation 2019)では、力発揮のばらつきについては検討できなかった。そこで、本年度は、一次運動野への介入に伴う力発揮のばらつきの検討に先立ち、一次運動野の興奮性と力発揮のばらつきの関係性を検討した。実験では、一次運動野右第一背側骨間筋(FDI)支配領域に対して経頭蓋磁気刺激(TMS)を安静中に与え、30回分の変動係数を計算した。また、右手指ピンチングによる瞬間的な力発揮を最大筋力の20%を目標に発揮してもらい、30回分の変動係数を計算した。両者の間には、有意な関係性は認められなかった。そのため、安静時の一次運動野の興奮性の揺らぎは力発揮のばらつきを決める要因ではない可能性が示唆された。今後は、高次運動野と力発揮のばらつきの関係性を検討していく。
また、脊髄神経回路機能を修飾する非侵襲的刺激法を提案するため、TMSと筋腹刺激の両者を組み合わせることで、皮質脊髄路のシナプス結合を修飾させられるか検討を行う実験を実施した。ヒラメ筋を対象に、ヒラメ筋の筋腹刺激および運動野への磁気刺激を適切な刺激間隔で行った。これを0.1Hzで200回行う介入を実施し、その前後の皮質脊髄路興奮性を計測した。その結果、皮質脊髄路の興奮性は介入後に有意に上昇することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験を遂行することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果を論文にまとめ、国際誌への掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
研究成果発表のための費用や、追加実験が必要となるため。
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Research Products
(4 results)