2018 Fiscal Year Annual Research Report
Neural coordination of coarse- and elaborate-movement
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17K13115
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木村 岳裕 金沢大学, GS教育系, 准教授 (50632254)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 一次運動野 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは日常動作において、様々な運動を行っている。その運動様式には腕の挙上などの粗大運動や指先のつまみ動作などの巧緻運動があり、単独、または二つを連携させている。それぞれの運動制御に関わる研究は幅広く調査されているが、二つの運動を連携させる脳内システムの研究は、ヒトはもとより動物実験においても調査されていない。 その中、申請者は上腕の運動が指先の皮質脊髄路の興奮性を抑制させるという、脳内の運動連携に関与することが示唆される神経生理学的所見を得た。詳細な調査を実施するために、抑制作用の腕の運動方向特性を調査したところ、抑制作用の確認される筋特異性や時間特異性は同様であった。また、末梢神経への電気刺激によって誘発されるF波をTMS実験と同様の手続きで計測することで脊髄興奮性変化との比較調査を行った結果、脊髄レベルでは興奮性作用のみ確認され、これまで確認してきた抑制作用は脊髄上レベルで生じていることが示された。さらに、経頭蓋磁気刺激 (TMS)の刺激座標をMRI画像上に高精度に推定するシステムを開発した。この高精度TMS刺激座標推定システムは、誤差が1mm未満の精度が確保されており、今後の独自性の高い実験計測が可能となった(平成30年:Neuroscience Research誌に掲載)。 今後の研究の展開として、これまでの神経生理学所見をまとめ、学術論文として執筆し、国際学術誌への掲載を目指す。次に、開発した高精度TMS刺激座標推定システムを用いたTMSマッピング計測を実施し、神経生理学特性を追跡調査する。また、確認された神経生理学所見とヒトの動作との関係性を調査することで、神経機能としての意義を明らかにする。
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Research Products
(2 results)