2020 Fiscal Year Research-status Report
身体教育をめぐる日本的心性の基盤形成:幕末明治期の渡邊昇と藤田東湖の武術思想
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17K13120
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田端 真弓 大分大学, 教育学部, 准教授 (60648608)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 剣術 / 大村藩 / 渡邊昇 / 稽古 / 日本文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに一定程度の史資料の収集を終え、今年度収集を予定していた資料が残っていたが、遠方への移動の自粛のために未収集の資料に対する調査がほとんど進んでいない。昨年度までの研究の成果を踏まえて、今年度は渡邊昇の剣術修行やその思想がもたらした影響について、そして彼の生きた時代背景を思想史的観点から位置づけることが大きな課題となっていた。前者については、上述のような理由から未収集の資料は残ってはいるものの、すでに収集済の資料については一部十分な検討が進んだ。一方後者については、予定してはいなかった文献も含めて十分な検討に従事することができた。特に、日本文化論そのものについて、また日本文化論における剣術の位置づけについて十分な検討が進んだことにより、次の課題が深化する手がかりをつかむことができた。よって、これまで取り組んできた内容については、一部停滞があるものの、収集済史料の検討は整い、それらののちに進めようとしていた内容については、手がかりをつかむことによって、課題の骨格が明確になり始めた。これらの本年度の成果は、全体的に考えた場合、遅れは生じてはいるという結果は否めないが、その中でも新たな課題が明確になったことで研究の進展を示すものともなった。本来、本研究課題は今年度までであったが、一定の成果への到達が見込まれつつも、上述のような理由から、来年度も継続せざるを得ない状況となっている。したがって、来年度以降、これらを踏まえて臨機応変に進めていくような計画の修正が必要となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究資史料の早急な入手を考えていたが、国内情勢により、進めることができず、その点において大幅な遅れが生じている。研究全体の構想に変更はないが、予定や計画に対して「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では史資料収集の見通しが立たない状況であるが、従事できる史資料が課題に取り組むことによって、着手すべき研究の順序を変更しながら、進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究課題を遂行する上では、史資料の調査・収集が不可欠の作業であるが、感染症の影響により、他県への移動、とりわけ東京への移動が自粛されていることによって、使用すべき予算の執行が計画的に行えなかった。よって次年度に継続することとなった。しかし、今年度の研究の成果から、日本文化論における剣術の位置づけについての検討が進み、このことによって、新たに収集すべき資料も出てきた。本年度執行できなかった金額については、史資料の収集に最優先に用いたいと考えているが、新たな資料に使用することも考えている。
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