2018 Fiscal Year Research-status Report
カンボジアにおけるOERを活用した小学校での体育授業モデルの構築
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17K13122
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
山平 芳美 国際武道大学, 体育学部, 准教授 (40645850)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カンボジア / 体育授業 / 初等教員養成 / 体育授業観 / 教育実習 / 体育科教育法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、カンボジアの体育科教育の実情を鑑み、同国を対象とした体育実技のオープン教材(Open Educational Resources:以下、OER)の開発とOERを活用した小学校の体育授業のモデルの構築を目指したものである。目的のために、次の研究課題を設定した。1.同国の小学校教員養成校及び小学校における体育科教育に関する現状と課題の把握、2.小学校教員養成校におけるOERを活用した体育授業モデルの構築と検討、3.同国の小学校におけるOERを活用した体育授業モデルの構築と検討、4.同国の小学校教員養成校及び小学校におけるOERを活用した体育授業モデルの有用性に関する検証である。 本年度(2年目)は、1年目に実施した小学校教員養成校における体育科教育の現状と課題に関する調査結果をもとに、2.小学校教員養成校におけるOERを活用した体育授業モデルの構築と検討に関する研究課題に取り組んだ。調査対象とした小学校教員養成で行われている体育科教育法において、体育教師に体育実技に関するOERを活用した講義を一部実施してもらった。体育実技に関するOERの有用性を検証するため、体育科教育法の前後で、小学校教員養成校の学生を対象としてた質問紙調査を実施した。さらに、小学校教員養成校の学生が、教育実習で体育授業を実施する際の指導案作成や教材研究として体育実技に関するOERを活用し、一部体育授業を実施している。教育実習を通じた体育実技に関するOERの有用性を検証するため、小学校教員養成校の学生を対象とした教育実習前後で質問紙調査を実施した。くわえて、体育実技に関するOERのについて、ADDIEモデルを枠組みとして評価(Evaluate)に該当する質問紙調査を別途実施した。本研究については、論文投稿及び学会発表にて成果をまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究成果を基盤として、2年目は研究計画の当初予定通りに、カンボジアの小学校教員養成校における体育実技に関するOERを活用した体育授業モデルの構築と検討に関する研究課題に取り組んだ。同国の小学校教員養成校における体育教師によるOERを活用した体育科教育法に関する調査、小学校教員養成校の学生がOERを活用した教育実習先における体育授業の実施に関する調査を行うことができ、おおむね順調に進展しているといえる。体育実技に関するOERの有用性を検証するために質問紙調査内容を一部変更したが、研究計画に従って適切に質問紙を収集することができている。2年目で得られた質問紙調査の結果は3年目にフォローアップ調査を踏まえた上で、学会発表や論文等で報告する予定である。さらに、3年目は、同国の小学校におけるOERを活用した体育授業モデルの構築と検討が研究課題となることから、調査対象となる一部の小学校とのラポールの構築を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目となる本研究では、カンボジアの小学校におけるOERを活用した体育授業モデルの構築と検討を行う。1年目に続いて2年目も続けて28本のOERを、動画共有サイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービスを通じて公開した。3年目では、研究計画に従って、1.カンボジア都市部の小学校における体育実技に関するOERを活用した体育授業モデルの検討、2.同国農村部の小学校における体育実技に関するOERを活用した体育授業モデルの検討に関する調査を進めていく。調査方法としては、参与観察、質問紙調査やインタビュー調査を中心とする。 2年目の小学校教員養成校におけるOERに関する研究の成果と、さらに3年目の小学校現場から新たに得られる成果や知見と合わせて、4年目(最終年)の同国における体育実技に関するOERの有用性の検証へとつなげていきたい。
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Causes of Carryover |
2年目は、カンボジアでも調査対象とした先が小学校教員養成校のみであったことから、現地調査費用が当初の予定より安価に済んだことが主な要因として次年度使用額が生じた。3年目は、2年目とは異なり同国における都市部の小学校及び農村部(滞在先からの長距離移動が不可欠)の小学校を巡回するような形式となる。したがって、差額分について現地の調査費用として一部充当予定である。また、同国の都市部及び農村部の複数の小学校から質問紙を回収して分析することから、質問紙の調査結果(ネイティブチェック)とりまとめのために、人権費・謝金としても一部使用予定である。
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Research Products
(5 results)