2017 Fiscal Year Research-status Report
シニアスポーツが高齢者の運動機能と筋サイズに及ぼす効果
Project/Area Number |
17K13124
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
石原 美彦 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40761557)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 加齢 / シニアスポーツ / 骨格筋 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会に突入した日本では、介護・寝たきりなどのサポートが必要とされる人口が増加している一方、活動的なシニア世代の人口も増えており、特にシニアスポーツの発展は医療費増大などの高齢者人口の増大に伴う諸問題への解決策として期待される。申請者らはどのような運動・スポーツの量・強度・頻度が日本における介護・寝たきり予防に効果的であるのかを明示することを最終目標としている。そこで本研究では、運動形態・強度・習慣が異なる中高齢者を対象に、日常身体活動、運動機能、骨格筋の形態的・機能的評価、傷害調査を行い、(1)日常身体活動の量や強度とロコモティブシンドローム(運動器症候群, 以下ロコモ)や運動機能との関連性、(2)定期的な歩行習慣やスポーツ習慣の有無が骨格筋に与える影響、(3)シニアスポーツの傷害リスクを明らかにすることを目的とした。 1年目(H29年度)は横断研究として、異なる運動習慣を有する中高齢者を対象とし、日常身体活動(量および強度)、体力、骨格筋のサイズを評価し、これら3つの関連性について検討し、また傷害調査も実施した。50~80歳までの ① サッカーを定期的に行っている中高齢者、② 地域在住の歩行習慣のみの中高齢者、③ 地域在住の運動習慣のない中高齢者を対象とし、3軸加速度計による1週間の連続した日常身体活動(歩数および活動時間)、GPSデバイスによる運動・スポーツ中の移動スピード、加・減速および心拍数の測定を実施した。さらに、ロコモ評価(日本整形外科学会提唱のロコモテスト3種)、骨格筋サイズ評価(腹部、大腿部、下腿部など計8カ所の筋厚)、筋力評価(膝伸展・屈曲筋力)、運動機能(文部科学省新体力テスト、30秒チェアースタンド)を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初のH29年度計画が現在進行中であるため。具体的には、共同研究者の整形外科医によるメディカルチェックが一部進行中である。これまでに作成したアンケート票をもとに、疼痛の有無および病歴、過去の怪我等の調査は終了した。現在は、関節可動域検査を実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
対象者の障害調査を実施したのち、縦断調査も行う。1年目と同様の対象に、およそ1年後に同じ測定を実施する。日常身体活動の量や強度の変化と筋厚・体力テストの結果の変化の関係について検討する。つまり、1年間で日常身体活動の量と強度の変動や加齢が筋厚・運動機能テストの結果に与える影響について調査・検討する。これまでに得られた結果に、本プロジェクトで得られた測定結果を加えて、共同研究者らと次の項目を検討・考察し、本年度中には学会発表エントリーおよび論文執筆を行う。 平成31年度以降は、シニアサイクリストやシニアスイマーなど運動の形態・様式が異なるスポーツを行なっている方たちを対象者に加えて、『どのような運動・スポーツの量・強度・頻度が日本における介護・寝たきり予防に効果的であるのか』という最終目標にチャレンジしていく。
|
Causes of Carryover |
当初購入予定だった研究機材が、実際の交付額では購入できなかったため、次年度使用額が発生した。よって次年度で、当初予定していた研究機材の購入を計画している。
|
Research Products
(1 results)