2018 Fiscal Year Research-status Report
短距離走における「肘を曲げて腕を前後に振る」指導方法を再考する
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17K13130
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
比留間 浩介 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 准教授 (60588440)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腕振りの方向 / 男女差 |
Outline of Annual Research Achievements |
短距離走における腕振り動作は様々な指導書や先行研究においてその重要性が指摘されている。その中で疾走能力を高めるためには「腕を前後に振る」ことが望ましいとされている。しかし、これまで腕振りの方向について調査した研究は幼児期を対象としたものであり、小学生以降、成人に至るまでの実態が明らかにされていない。そこで30年度は、小学生から成人の陸上競技選手に至るまで広範囲にわたり調査を実施した。小学生から成人までの男女計456名疾走動作を正面からデジタルビデオカメラで撮影し、その映像を基に観察的な評価法を用いて疾走中の腕振り動作を「前後(Type1)」,「どちらともいえない (Type 2)」,「横 (Type3)」の3段階に類型化した。その結果,男子では年代が上がるにつれ「横(Type3)」の割合が減少するといった経年的な変化が見られたが,女子ではそのような傾向は見られず腕振りの方向には性差があることが明らかになった.また,男子では経年的な変化が見られ,女子では見られなかったこと,および腕振りの方向とタイムには関係がなかったことから特に女子においては,これまで望ましいとされてきた前後方向に振っている選手が必ずしもパフォーマンスが高いわけではなく,横に振っていても十分に高いパフォーマンスを発揮できることが明らかになった。30年度の研究で得られた知見は今後,年代や性差を考慮した短距離走における腕振り動作のコーチングを考えていく上で有益であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、幅広い年代のデータを収集し、結果をまとめることができた。したがって、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は腕振り動作についてより詳細な分析を行うために3次元的な撮影、分析を行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定より実験を行える機会が増えたため、旅費や被験者への謝礼に多く使用した。そのため、予定していた物品の購入ができず残額が生じた。残額と31年度分の助成金を合わせて予定していた物品を購入する予定である。
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