2017 Fiscal Year Research-status Report
Constraction of teaching method of G-ball including safety education for elementary school students
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17K13131
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Research Institution | Tokoha University Junior College |
Principal Investigator |
田村 元延 常葉大学短期大学部, その他部局等, 講師 (60736685)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体つくり運動 / Gボール教材 / 中学年児童 / 安全教育 / 指導方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は小学校体育でGボール教材を活用するために、Gボールの基礎的な身体操作を学習する指導実践を通して児童の動き方の変容を明らかにし、安全教育の観点からGボール指導方法を構築するための基礎的知見を得ることである。そのために1)基礎的な身体操作を学習するGボール単元の作成、2)基礎的な身体操作の動作測定及び分析方法の検討、3)開発したGボール単元の実践及び検討、4)実践研究論文の作成及び発表の4課題を設定した。 本研究は、研究活動スタート支援(平成26年度から平成27年度)の助成による研究をベースにしたものである。平成29年度は、前回の助成期間内で実施した予備実験(平成28年2月小学校3年生57名を対象)の成果を基に研究を進めたことで1)から3)の課題を遂行した。 前回の助成期間内では、基礎的な身体操作を学習するプログラムを開発し、本研究の1)の課題に該当するGボール単元の試案及び予備実験まで行っていた。試案した単元では、基礎的な身体操作を「身体がGボール上から外れない(身体とGボールの平衡状態を保つ)動き方」と位置づけ、その習得を目指した。具体的には、2人1組でGボールに乗るなど身体がGボールから外れない学習環境を設定し、児童が能動的にGボールの動揺をコントロールし、安全に動きの習得ができるよう工夫を施した。 こうした予備実験では、単元前後で課題測定も実施した。2)では、これらの測定から収集したデータを用いて、基礎的な動き方に関する動作測定及び分析方法の検討を行った。その結果、バランス保持時間の増加や落下回数の減少が認められると共に、身体とボールの平衡状態を保つ動き方の変容を明らかにすることができた。 これらの成果は、本研究の目的である安全教育の観点からGボール指導方法を構築するための知見の獲得になると考え、現在、より詳細な分析を進め、研究論文の作成にもあたっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究における平成29年度の当初計画は、1)基礎的な身体操作を学習するGボール単元の作成、2)基礎的な身体操作の動作測定及び分析方法の検討であった。 本研究は、研究活動スタート支援(平成26年度から平成27年度)の助成を受けて行われた研究をベースにしたものである。平成26年度から平成27年度の期間内では、基礎的な身体操作を学習するGボールプログラムを開発し、本研究の1)の課題に該当するGボール単元の試案を行った。さらに、測定課題を検討した上で、試案単元を用いて小学校3年生児童57名を対象に予備実験を行った(平成28年2月)。 本研究の計画時点では、この予備実験を基盤に単元や測定方法を再検討し、本実験に繋げようと考えていた。その後、本研究が採択され予備実験で収集した測定データなどの分析を進めた結果、予備実験で得た試案単元や測定方法に関する知見は、本研究の当初の目的を達成できるものであると判断した。そのため、現在は、より詳細なデータ分析を進めると共に、研究論文としてまとめる段階に入っている。 こうした経緯により、現在の進捗状況としては、予備実験で行った内容について、4)実践研究論文の作成及び発表(平成31年度の計画)を前倒して行っている状況にあり、(1)当初の計画以上に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の当初計画は、3)開発したGボール単元の実践及び検討であった。しかし、当初の計画とは異なり、予備実験を研究論文としてまとめることとした。そのため、平成30年度は、本研究の4)研究論文の作成及び発表を課題に再設定し研究を推進する予定である。 最終年度の平成31年度においては、今回開発したGボール単元の指導効果をより明らかなものとするために、従来の単元を用いた実践を行う対照群を設け、安全面に十分に配慮した上で比較実験を実施しようと計画している。
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Causes of Carryover |
平成29年度の当初計画では、動作解析ソフト(DARTFISH:110万)及び統計解析ソフト(SPSS Statistics Base:15万)を購入する予定であった。しかし、今年度は少人数のデータを対象に動作分析などを行なっていたため、フリーソフトウェアなどで対応可能であったことや本研究の動作分析に適した他社の映像分析ソフトなどとの比較検討も行なっており、上記のソフトウェアの購入を見送っていた。そのため、次年度使用額が生じた。 今後は、分析対象を増やして動作分析や統計処理を行うため、平成30年度に上記のソフトウェアを購入する予定である。
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