2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research regarding fumikomi sounds and the evaluation of strikes in kendo
Project/Area Number |
17K13140
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
下川 美佳 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 助教 (10437981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 踏み込み音 / 周波数帯 / 音の強さ / 踏み込み方 / 音量 / 傷害 / 競技力 |
Outline of Annual Research Achievements |
剣道において打突に伴う音に関する知見は少なく、特に踏み込み音に関しては十分明らかではない。そこで、本プロジェクトでは、打突評価と「踏み込み音」の特徴を探り、現場に還元できる資料の提示を目指した。 令和元年度は、打突動作に伴って発生する音に関する調査および、踏み込み音と右足踵部痛に関連する実験を行なった。(1)大学剣道競技者における打突に伴って発生する音の捉え方、(2)剣道における右足踵部痛改善前後の踏み込みの動作と地面反力、音の違いの2点について検討した。 (1)は、大学剣道競技者が打突に伴って生じる発声、打突音、踏み込み音を競技者および審判者の視点で「どのように捉えているか」を調査した。これにより、競技者と審判者の視点で打突に伴って発生する音に着目する必要性と踏み込み音に関する検討の重要性が明らかとなった。 (2)は、右足踵部痛を改善させたある競技者の踏み込みに着目し、右足踵部痛改善前後の踏み込み動作とその動作による地面反力、踏み込み音を比較するための実験を実施した。その結果、ある競技者の右足踵部痛改善の要因や踏み込み動作の修正とその力発揮の変容によって、踏み込み音が高く大きな音に変化することが明らかとなった。 本研究プロジェクトは、平成29年度から令和元年度の3ヵ年の期間で行った。平成29年、30年度には、踏み込み音の客観的検知の可能性や、打撃音と踏み込み音およびそれらの複合音の相違、踏み込み音の違いが打突における冴えや強度の評価に及ぼす影響を明らかにした。3ヵ年による本プロジェクトの結果、踏み込み音が打突の評価に影響を及ぼすことが示唆された。また、傷害予防と競技力向上の両面において、踏み込み音に着目することの必要性が示された。以上のことから、踏み込み音に着目することは、総合的な打突技術の向上を目指す新たなアプローチ方法の1つであるとの知見を得た。
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Research Products
(2 results)