2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of feedback system for improving backstroke start performance in competitive swimming
Project/Area Number |
17K13156
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
奈良 梨央 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (70708148)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 背泳ぎスタート / 股関節 / 膝関節 / タイミング |
Outline of Annual Research Achievements |
背泳ぎではプールの壁面からの足離れ時に最も高い速度がみられるため、入水時の減速をいかに小さくするかが競技成績を決定する重要な要因となる。にも関わらず、背泳ぎスタートに関する研究はスタート合図前の構え (De Jesus et al., 2013,2016,2018; Barkwell and Dickey J., 2020) に着目したものが多く、スタート合図後の動作についての知見は著しく少ない。Takeda et al. (2011) は、背泳ぎスタートの入水技術に関して検討したところ、入水範囲が狭く、全ての身体が同じ穴に入るような理想とされるホールエントリーが5mタイムを決定する最も重要な要因であることを示した。また、そのホールエントリーをするためには、背中を大きく反らす姿勢であるアーチバック姿勢をとる必要があり、その姿勢をとることで抵抗の少ない姿勢が可能になることも示されている(Maglischo, 2003; Mills, 2005)。これらの先行研究はルール改正前であったため、バックストロークレッジ(BSL)が使用されておらず、現在のルールに合わせるため、BSLを使用した状態での検証が必要であることが考えられる。 以上のことから、我々はシグナル後の股関節および膝関節を伸展させるタイミングの違いにより、パフォーマンスに影響があると仮説を立て、研究を進めた。本研究では、背泳ぎスタート中にBSLを使用した場合、各下肢関節伸展のタイミングの違いにより、パフォーマンスにどのような影響があるかを明らかにすることを目的とした。 本研究の結果より、膝関節が伸展し始めた後に股関節を伸展するような動作を行うことで跳び出した後のアーチバック姿勢が取りやすくなり、入水範囲が狭くなるようなホールエントリーを行うことが可能になることで5mタイムが短縮されたことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最終年である2019年度として、研究成果の公表を目指していた。しかし、研究代表者の学内業務多忙により、それらの準備を行うことが出来なかった。事業期間延長の申請を行い、2020年度に、これらの成果公表のため、予定していた予算を繰り越した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本来の最終年度である2019年度に行う予定であった国際誌への論文投稿のため、繰り越した研究費を用いて、2020年度に英文校正や投稿料に使用する予定である。 投稿するにあたって、学会参加時に情報収集を行い、また共同研究者らと本研究の成果について議論をする。本研究成果について、現場の指導者らとトレーニング現場への応用方法について検討し、背泳ぎスタートに関する実践的な示唆を示す予定である。
|
Causes of Carryover |
予定としていた論文投稿および学会参加が出来なく、次年度使用額が生じた。 繰り越し分は、次年度の国内学会の参加費や国際誌の投稿料、英文校正に充てる予定。
|