2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K13161
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Research Institution | Shizuoka University of Welfare |
Principal Investigator |
太田 洋一 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (60551760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不器用さ / 素早い力発揮 / 力発揮の正確性 / RFD / RFD-SF |
Outline of Annual Research Achievements |
全身運動における身体的な「不器用さ」は、縄跳びが出来ないや球技が苦手であるなど、遂行しようとする運動の可否によって評価されることが多いが、具体的に運動に関わるどのような能力の不足が、正確な運動遂行の達成を阻害しているかについては不明な点が多い。 本年度では、投・跳・打・蹴などの運動を円滑・正確に遂行する為に必要な、「素早い力発揮」に着目し、素早い力発揮能力の測定・評価に関する検討を行った。被検者(男性11名)に、最大随意収縮を行わせ、その前後にて、後脛骨神経に1、2、3回のパルス状の電気刺激をランダムに加え等尺性足関節底屈張力を測定した。2パルス刺激は1,2,4,10ms、3回パルス刺激は10msの刺激間隔とした。各被検者で、それぞれの刺激条件において誘発された張力とRFDとの関係から、RFD scaling factor (RFD-SF)(傾き、y切片、相関係数)を算出した。全ての被検者において、誘発張力とRFDとの間には有意な相関関係が認められた。相関係数と傾きにPAPによる有意な変化は認められなかった。一方で、縦軸をRFDとした場合のy切片は、PAP条件で有意に高値を示した。これらの結果は、素早い力発揮能力の指標であるRFD-SFは、末梢的な筋機能の増加をRFD-SFのy切片の増加として反映することが示唆された。この結果は、素早い力発揮能力の変化や違いの原因を検討する際に有益な情報になるものである。また、素早い力発揮だけで無く、力発揮の正確性からも、「不器用さ」に関連する要因について現在調査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の結果は、今後の実験データを解釈する上で有益である。
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Strategy for Future Research Activity |
力発揮の正確性や力発揮のタイミングからも、「不器用さ」に関連する要因について検討を進める。
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Causes of Carryover |
実験機器および消耗品の購入が予定より安価となったためである。 予定された使用計画に追加して実験機器および消耗品・謝金等に使用する。
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