2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K13161
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Research Institution | Shizuoka University of Welfare |
Principal Investigator |
太田 洋一 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (60551760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不器用さ / 巧みさ / 素早い力発揮 / RFD / 両側性機能低下 / 正確性 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身運動における身体的な「不器用さ」は、縄跳びが出来ないや球技が苦手であるなど、遂行しようとする運動の可否によって評価されることが多いが、具体的に運動に関わるどのような能力の不足が、正確な運動遂行の達成を阻害しているかについては不明な点が多い。 本年度では、投・跳・打・蹴などの運動を円滑・正確に遂行する為に必要な、「素早い力発揮」に着目し、素早い力発揮能力の正確性についての検討を行った。被検者(利き手右)は最大筋力の30%、50%、70%を目標とした出来るだけ素早い握力発揮を行った。それぞれの目標筋力において右手のみ、左手のみ、両手同時での素早い握力発揮を30回ずつ実施した。素早い力発揮能力の指標としてRate of Force Development (RFD)とRFDをそれぞれの試技で発揮された筋力で除した値(RFD/P)を算出した。また、正確性の指標として、目標筋力と発揮された筋力の誤差を算出した。RFDは左手のみよりも両側同時の左手で高い傾向を示したが、RFD/Pはどの力発揮条件においても一側単独と両側同時で有意な違いは認められなかった。また、発揮筋力の誤差は、全ての力発揮条件において、左手のみよりも両側同時の左手で高い傾向を示した。最大下での両側同時の素早い握力発揮は、素早い力発揮能力には影響しないものの、非利き手である左手の力発揮の正確性を低下させることが示唆された。この結果は、「不器用さ」に関連する要因における素早い力発揮能力の正確性の評価において有益な情報になるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の結果は、今後の実験データを解釈する上で有益である。
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Strategy for Future Research Activity |
力発揮の正確性や力発揮のタイミングからも、「不器用さ」に関連する要因について検討を進める。
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Causes of Carryover |
実験機器購入価格が当初より割安になったため。 予定していた海外学会へ参加しなかったため。 旅費および必要な物品の購入を行う。
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