2019 Fiscal Year Research-status Report
占領期の日本本土における駐留米軍のスポーツ活動と日本のスポーツ活動への影響
Project/Area Number |
17K13162
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
熊澤 拓也 東洋大学, ライフデザイン学部, 講師 (70793818)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 占領期 / 駐留米軍 / 米軍基地 / 基地文化 / アメリカンフットボール |
Outline of Annual Research Achievements |
占領期の日本本土における駐留米軍のスポーツ活動の実態を明らかにすべく、2019年8月10日から9月2日までの平日8:45から17:45まで、アメリカ国立公文書館新館(National Archives and Records Administration Ⅱ)にて、アメリカ陸軍第8軍資料群(Record Group 338)に所収されている日本占領軍各都道府県軍政部の年次・月例報告書を閲覧・収集した。その結果、これまで明らかにされてこなかった各県におけるアメリカンフットボール・タッチフットボールの活動について以下のような新事実が明らかになった。 【富山】1948年9月、700名の市民が参加した全県スポーツ大会の一環として、アメリカンフットボールが行われた。1948年12月、タッチフットボールの講習会が3回開かれ、35名の高校教員、49名の中学校教員、70名の小学校教員、生徒たちが参加した。【愛知】1948年10月、空軍基地でタッチフットボールのリーグ戦が行われた。【熊本】1948年11,12月,1949年1月、タッチフットボールが行われた。【千葉】1948年11,12月,1949年1,11月、タッチフットボールが行われた。【新潟】1948年12月、タッチフットボールが行われた。【山形】1949年9,10月、アメリカンフットボールが行われた。 富山の事例は直接的に、富山以外の事例は間接的に、アメリカ軍のスポーツ活動が日本の人々のスポーツ活動に影響を与えた、または影響を与えた可能性がある事例であり、今後、日本側の資料と突き合わせ、更に詳細を明らかにする必要がある。また、これらの事実は今回初めて明らかになっただけでなく、管見の限りでは、これらの事例が各県で史上初めてアメリカンフットボールまたはタッチフットボールが行われた事例であり、その意味でも歴史的な意義がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2019年8-9月と2020年2-3月に約3週間ずつ史料調査を行う予定であったが、学務との関係や新型コロナウイルス感染症の影響で2020年2-3月に予定していた史料調査を行うことができなかったことによる。
|
Strategy for Future Research Activity |
毎年度8-9月と2-3月に約3週間ずつアメリカ国立公文書館新館で史料調査を行うという基本方針であったが、予算の残額と、2021年2-3月に本務校の海外研修の引率とキャンパス移転を予定していることから、2020年度は8-9月にのみ、約3週間、アメリカ国立公文書館新館で最後の史料調査を行う。 これまでは陸軍史料の資料調査を行なってきたが、次回の資料調査中に陸軍史料の資料調査が完了した場合には、海軍史料の資料調査に着手する予定であり、既に同館海軍史料担当のアーキビストとはやり取りを行なった。
|
Causes of Carryover |
当初、2019年8-9月と2020年2-3月に約3週間ずつ史料調査を行う予定であったが、学務との関係や新型コロナウイルス感染症の影響で2020年2-3月に予定していた史料調査を行うことができなかったことによる。 その分、2020年8-9月に約3週間、アメリカ国立公文書館新館にて史料調査を行う予定であり、次年度使用額はその費用に充てる。
|