2017 Fiscal Year Research-status Report
棒高跳の助走におけるストライド調整メカニズムの解明
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17K13173
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田村 雄志 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (30759254)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 陸上競技 / 助走 / ストライド調整 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の初年度にあたる昨年度は、棒高跳の助走に関する基礎実験および予備実験として以下の2つの研究を実施した。 棒高跳では、2016年度のルール改正により審判による踏切位置の教示が明確に禁止された一方で、助走路脇にポールを差し込むボックスから18m地点まで1m間隔でディスタンスマーカーを設置することが定められた。そこで、このディスタンスマーカーを較正点として利用し、ステップ長を測定しステップ頻度との積によって求めることができる助走速度の妥当性について、すでに広く用いられているレーザー式速度測定器での測定データとの比較によって検討した。ディスタンスマーカーを較正点として利用することができれば、動作分析において不可欠であるキャリブレーション撮影を別途行うことなく、助走の評価を行うことが出来るため、棒高跳の助走におけるストライド調整の評価法の一つとして利用が可能であると考えられる。 また、棒高跳の助走におけるストライド調整の機序を3次元動作分析によって明らかにするための予備実験として、現有の高速度デジタルカメラによって助走の終末局面から踏切動作に至るまでの動作の同期撮影を行い、その精度を検証するため、現在分析作業中である。本研究の骨子となる助走の終末局面での疾走動作の3次元動作分析は動作範囲が大きく精度の高い分析を実施するためには、撮影に用いるカメラやその配置を綿密に計画する必要があり、現在は予備実験を実施し、それらの検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
棒高跳の助走におけるストライド調整の機序を明らかにするためルール改正によって新たに設けられたディスタンスマーカーを較正点として用いた助走評価法を検討するとともに当初の研究計画の骨子となる3次元動作分析を行うための予備実験を実施し、各ステップのつま先接地位置の試技間の標準偏差から棒高跳選手がストライド調整を実施している地点の推定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、実施している予備実験の結果をもとに棒高跳の助走の終末局面を対象とした3次元動作分析を実施し、選手のステップ長が試技間で最もばらつく地点において助走動作のうち、どのような動作を変動させることによってストライド調整を行っているかを明らかにする。 各試技間のステップ長のばらつきが大きなステップがストライド調整において重要な役割をしていると考えられることから、そのステップにおける下肢関節動作の変動係数を算出し、どの動作を用いてストライド調整を実行しているのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初計画では、研究協力者を本学へ招聘し研究に関するディスカッションを実施する計画であったが、関連学会の際にディスカッションの時間を設けることができたほか、電話やメール等の手段を活用し、打ち合わせやディカッションを重ねたため、当初計画より執行額が少なくなった。 次年度は、繰越金を有効に活用し本実験でのデータをもとにディスカッションを進めていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)