2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the neural basis of interpersonal synchronisation by hyperscanning EEG-fMRI
Project/Area Number |
17K13177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 紘平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30792171)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | imitation / hyperscanning / fMRI / action representation / mirror system |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では模倣を介した感情共有に関して研究を行った。「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」というJames-Lange Theory of Emotionは、感情が身体的変化から惹起されることを主張しており、このことは表情の模倣を介して感情の同調が生じる可能性を示唆している。本研究では、うれしい顔(Positive)、かなしい顔(Negative)、口を開ける顔(Neutral)の模倣課題を2人で行ってもらい、各試行後に自己の感情の内省報告を行ってもらった。そして、2者の感情変動にペア特異的な関係があるかを調べた。その結果、表情の条件による相関はあるが、条件内での変動に相関は見られなかった。表情の相互作用は各試行約1秒間であったため、感情の同調を引き起こすには短すぎる時間だったと考えられる。 研究期間全体を通して、本研究は表情の模倣課題を用いて運動の同調に重要な「どのように行うか(How)」という運動の意図共有と同調に伴う快感情に関わる神経基盤を同定した。表情模倣の課題中、右下頭頂小葉の活動はペア特異的な類似性を示し、その程度は表情の動き(速さ)の類似性と関連することを明らかにした。このことから右下頭頂小葉の活動の類似性が運動の意図共有に関連することが示唆された。また、自分と同じことを相手がすることを認知することは快感情を惹起し、運動の同調を促進すると考えられている。本研究はこの被模倣による快感情には吻側前帯状回が関わることを明らかにした。これらの運動の意図共有や被模倣による快感情は社会的発達において重要であり、その脳領域を同定したことは社会性障害の神経機序の理解に大きく貢献すると考えられる。
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Research Products
(2 results)