2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring Regulatory Mechanisms of Skeletal Muscle Microcirculation by Using Two-photon Laser Scanning Microscopy
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17K13185
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
堀田 一樹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (30791248)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 毛細血管 / 血管透過性 / 2光子レーザー顕微鏡 / 伸長性筋収縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
微小血管の役割の一つに,血管透過性の調節が挙げられる.本研究は生きた動物の骨格筋においてリアルタイムで血管外への物質漏出を捉えることで,血管透過性を客観的に評価した.麻酔下のラットに対して分子量の大きい蛍光物質(70 kDa rhodamine-dextran)を血管内に投与した後に,2光子レーザー顕微鏡を用いて骨格筋毛細血管の三次元画像を描出した.同一箇所で連続撮影することで,蛍光物質が徐々に血管外に漏出することを確認した.この漏出の程度を評価するために,画像解析により血管外漏出容積を算出した.正常ラットで血管外漏出容積を確認した後に,続いて伸長性筋収縮による筋損傷モデルラットを作成し,血管外漏出容積,筋組織画像,免疫組織化学染色を実施した.伸長性筋収縮から1日目において筋細胞の腫大を認め,3日目に白血球の浸潤・貪食が観察された.7日目には新たな再生筋が観察された.同時期に血管透過性を評価すると,1および3日目においては血管外漏出容積の増加を認め,7日目には血管外漏出容積は正常ラットと同程度まで回復していた.また,骨格筋毛細血管の形態を見てみると,湾曲した血管が増加していることが明らかとなった.Reatl time PCRにより1,3日目に血管内皮増殖因子(VEGF-A)のmRNAレベルの増加が確認され,免疫組織化学染色により腫大した筋細胞および白血球の貪食を受けている筋細胞でVEGF-Aが発現していることが確認された.元来,VEGF-Aは血管透過性を亢進させることが知られている.以上のことから,筋の損傷から回復過程においては,損傷筋におけるVEGF-Aの発現と近傍の毛細血管における血管透過性の亢進が,筋損傷後の急性期に臨床的に起こっていると思われた.
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