2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exercise time and circadian rhythm may impact maximal skeletal muscle hypertrophy
Project/Area Number |
17K13192
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
張 碩文 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 博士研究員 (20783913)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 概日リズム / コルチコステロン / シグナル伝達 / 骨格筋 / 一過性運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、伸張性トレーニングを実施するタイミングの違いによってヒラメ筋における筋肥大の程度が異なることを確認してきたが、根底にある制御メカニズムについては不明のままである。そこで本年度は、その制御因子として血中コルチコステロン濃度に着目し、明期(非活動期)の一過性伸張性運動前に暗期(活動期)と同等の濃度になるようにコルチコステロンを投与することで筋肥大に関わる細胞内シグナル伝達の変化について検討を行った。実験動物には雄性ラットを用い、対照(生理食塩水投与)群およびコルチコステロン投与(3 mg/kg)群に分け、それぞれ運動前、運動直後、運動1時間後3つの条件でヒラメ筋を摘出し、生化学的な解析を行った。その結果、コルチコステロン投与30分後の血中コルチコステロン濃度の変化は、生理食塩水投与(対照群)と比較して有意に高値(+17.5%)を示した。コルチコステロン投与群の運動前のグルココルチコイド受容体(GR)の発現レベルは、生理食塩水投与(対照群)と比較して高い傾向を示した。また、対照群では運動直後にタンパク質合成に関与するp70S6Kのリン酸化率が有意に増加したが、コルチコステロン投与によりこの増加は軽減された。これらのことから、生体内コルチコステロン濃度が高い状態である暗期(活動期)は、運動による筋肥大に起きる細胞内のシグナル伝達の活性化が一部減弱する可能性があり、そこにはGRを介したp70S6Kのリン酸化制御機構が関与している可能性が考えられる。
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