2017 Fiscal Year Research-status Report
13C-グルコースを用いた小動物による運動時糖代謝調節機構の解明
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17K13200
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
上田 真也 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (40616926)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖代謝 / 安定同位体比分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスリートの激運動開始時における呼吸・循環機能の動特性を定量的に評価する際,体内の糖代謝動態についても同時にモニタリングすることができれば,アスリートの運動時作業効率を決定する上で,代謝調節機序の理解が深まる.種目特性の異なるアスリートが如何なる代謝システムを有しているのかが明確になれば,競技特性に応じたトレーニング方法の立案や最適な栄養学的アプローチも可能となる.従来,糖脂質の代謝動態の指標として呼吸交換比が用いられてきたが,エネルギー基質そのものの代謝動態を直接反映していないため,糖質と脂質の代謝動態を分離して解析することができない.一方,13C安定同位体比分析は13Cを標識したグルコースやパルミチン酸を経口投与し,呼気より排出されるCO2から経口投与した基質の酸化量を求める評価法である.これまで,研究代表者はヒトを対象に,13C安定同位体比分析を用いた糖代謝動態の定量評価法を構築し,激運動時の糖代謝動態の定量解析に成功した.しかしながら,経口投与した13C-グルコースが小腸から吸収され,代謝されるまでの速度や取り込まれる器官等,データを解釈する上で不明瞭な点が多かった.そこで,本研究では小動物(ラット)を対象に,13C安定同位体比分析を用いて,運動時糖代謝動態における定量評価法の開発を目指すことを目的とし,初年度は本研究の課題遂行に必須である小動物の糖代謝測定システムの構築を目指した.その結果,ラットのbreath-by-breath糖代謝測定に成功した.すなわち,13C-グルコースが動脈投与後,速やかに代謝されていることを確認した.また,13C-グルコースの代謝量が投与量依存であることも明確となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,本研究の課題遂行に必須である小動物(ラット)のbreath-by-breath糖代謝測定システムの構築に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降,本年度構築したラットのbreath-by-breath糖代謝測定システムを用いて,運動時における糖代謝反応の量的・時間的な動態を検証できる定量評価法の開発を行う.
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Causes of Carryover |
本年度は主として,実験システムの構築に関する研究を遂行したため,当初予定していた数量のラットや13C-グルコースの購入に至らなかった.
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