2017 Fiscal Year Research-status Report
アーチェリー選手の肩関節痛と射的動作中の「腕のふるえ」の発生機序の解明
Project/Area Number |
17K13201
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Research Institution | Takarazuka University of Medical and Health Care |
Principal Investigator |
篠原 博 宝塚医療大学, 保健医療学部, 講師 (30785506)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アーチェリー / 筋活動 / 腕のふるえ / 加速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、アーチェリー選手においても肩関節障害について報告されている。申請者らはアーチェリー選手の肩関節のスポーツ障害後の筋活動や動作の特徴を見出し、報告してきた(Shinohara H,2014)。しかし、肩関節障害を有したアーチェリー選手のトレーニングにはまだ不明な点が多く、特にアーチェリー射的動作中に生じてしまう「腕のふるえ」(生理的な震戦)と肩関節および肩甲帯周囲筋の活動の関係に関して明らかにする必要があると考える。本研究の目的として以下の項目が挙げられる。アーチェリー動作中の筋活動を周波数解析し、どのような筋線維のタイプが「腕のふるえ」に関係しているのか?またトレーニング実施後、アーチェリー動作時の「腕のふるえ」は減少するのか?という点である。 本研究を推進するにあたり、アーチェリー動作時の筋活動量とパフォーマンスの関係に関する既存のデータを分析し、初心者アーチェリー選手には筋活動量に違いがあることを確認し、論文投稿を行った(Shinohara et al , Journal of sports medicine and physical fitnessにaccept済で掲載待ち)。そこで初心者アーチェリー選手を対象としてアーチェリー動作時の上肢を中心とした筋活動の調査を実施(5名終了)、また上肢筋を中心に筋力測定を実施し、初心者アーチェリー選手の筋活動と生理的な「腕のふるえ」について検証している途中である。 本研究のデータを解析するにあたりオープンソースソフトウェア「Python」を使用してプログラミングを行うとしていた。実際にデータの解析プログラムを作成し、「腕の振るえ」に関する周波数解析また、筋活動の分析、対象者へのフィードバック資料の作成などに役立てている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由としては測定時の機器の不具合などが影響し、結果として測定に支障をきたしたことが原因である。筋活動を測定する際に本研究では表面筋電図を使用している。この筋電図を使用するにあたり汗などが影響し貼付している機器が剥がれる、作動しにくくなるという事態が発生し対応、またはデータの再収集などを行うことがあった。またデータを解析するプログラミングの作成に関してはほぼ終了しており、対象者へのフィードバック資料の作成などにも役立てている。この点に関しては順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
選手を対象としているため機器等の不具合が生じることで、測定時期を変更する必要が生じる。対象者の試合の日程などを考慮すると期間が大幅に変化してしまう可能性があり、この点については慎重に検討する必要があると考える。本研究で特に重要な点はアーチェリー動作時の「腕のふるえ」の解明とそのトレーニング方法の検討である。この「腕のふるえ」については初心者アーチェリー選手に多く見られる傾向であり、初心者もしくはアーチェリー未経験者を対象として実施することを検証すべきかと思われる。アーチェリー未経験者を対象者として含めることで測定に関する制約が減少し、なおかつ「腕のふるえ」の解明と対処方法の開発に関して有効な実験が行えると考える。 今後の推進方策として初心者もしくはアーチェリー未経験者を対象として実施する場合の安全面や倫理面での考慮を含め、速やかに研究を実施していくことで目的を達成することが可能であると思われる。
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Research Products
(1 results)