2017 Fiscal Year Research-status Report
クロール泳におけるストロークレートに基づいた効果的なプル泳トレーニングの検討
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17K13202
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
府内 勇希 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (40646832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 競泳 / プル泳 / 泳技術 / 血中乳酸濃度 / 持久的トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、ストロークレートを用いて強度設定したトレーニングでの基礎的資料を得るために、泳距離と総ストローク数の回帰直線からCritical Stroke Rateを決定し、これに基づいて強度設定したトレーニングでの血中乳酸濃度や泳技術(ストロークレート、ストローク長)の変化を泳速度との関係から検証した。また、プル泳の研究は全身泳のように多くはないことから、全身泳では従来からトレーニング指標として用いられているCritical Velocityについても同様の検証を行った。 その主たる結果として、Critical Stroke RateおよびCritical Velocityを用いたトレーニングにおいて、血中乳酸濃度およびストロークレート、ストローク長の急増する泳速度に差異はなかった。これにより、双方のトレーニングともに、生理学的変化と泳技術の変化は密接に関連して起こることが示唆されたことから、泳技術をモニタリングすることで運動強度の閾値が判断できる可能性が示唆された。 もう一点としては、Critical Stroke RateおよびCritical Velocityの双方とも、血中乳酸濃度や泳技術が急激に変化する泳速度よりも低いことが明らかになった。このことは、Critical Stroke RateおよびCritical Velocityをトレーニングに用いる際には、生理学的観点や泳技術の観点から見た基準の指標にはならないことが示唆された。Critical Stroke RateおよびCritical Velocityは簡易的に決定できる指標であるが、ストロークレートおよび泳速度を用いたトレーニングのいずれも、泳速度との関係から血中乳酸濃度や泳技術の急激な変化点を見出す方が、エネルギー供給の観点から見て適正な強度設定ができると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の研究課題については、測定を昨年11月中には終えた。当初の計画では年度内の学会での発表を予定していたが、得られたデータの分析に時間を要したため、平成30年9月に行われる第67回九州体育・スポーツ学会でその成果発表する予定である。発表後には、『Frontiers in Physiology』に投稿を計画しており、現在はこの原稿を執筆中である(7割ほど完成)。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究課題については概ねまとまってきたので、平成30年度の研究課題についても準備を進めている。測定については、被験者の競技会との兼ね合いやコンディションを勘案して秋頃を計画している。 平成29年度の研究課題の結果から、平成30年度の研究課題での実験プロトコルは当初計画していたものから変更が必要になると考えられる。この点については、平成29年度研究課題の論文執筆中に同時進行で練り直すことができている。 平成30年度の研究課題については、年度内の発表(予定:3月の日本コーチング学会)と海外紙への投稿(投稿先未定)を計画している。
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Causes of Carryover |
当初予算立てしていた論文校閲や雑誌投稿料などの支払いを済ませていないため。
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