2018 Fiscal Year Research-status Report
クロール泳におけるストロークレートに基づいた効果的なプル泳トレーニングの検討
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17K13202
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
府内 勇希 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (40646832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 競泳 / 上肢 / 泳技術 / ストロークレート / 運動強度 / 持久的トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、ストロークレートを用いたプル泳トレーニングにおいて、運動強度設定を行う際の基礎資料を得ることを目的として実験を行った。実験の概要は、ストロークレートあるいはタイムをコントロールした2条件において漸増負荷テストを実施し、血中乳酸濃度と泳技術の変化を比較することによってストロークレートをコントロールすることの影響を検証した。その主たる結果として、血中乳酸濃度が急激に高まる値は両条件間で差異はなかったが、血中乳酸濃度と泳技術が急激に変化する泳速度(閾値)はストロークレートをコントロールした方が有意に高いことが明らかになった。この結果は、中強度から高強度へ移行する泳速度に違いがあることを示しており、競泳の持久的トレーニングの可能性を広げる知見であると考えている。 また、2018年度は、プル泳における高強度の持久的トレーニングの可能性を明らかにすることを目的として研究を行った。この実験では、従来のタイムコントロールのトレーニングでは、運動強度の上昇に伴う泳技術の変化はその強度に依存することが明らかにされているが、前年度の課題からストロークレートをコントロールした条件では泳技術の安定化を促進する可能性があるという仮説を立ててそのトレーニングの有効性について検証した。現在、その結果について分析中であるが、ストロークレートをコントロールした条件では、運動強度の上昇に伴う泳技術の変化が低減される傾向が示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2017年度の研究結果について、データの分析と論文の執筆に時間を要したため、2018年度の研究の遂行が当初の予定よりも遅延した。また、2017年度の研究結果に基づき、2018年度の研究課題の測定方法の見直しを行ったことから、測定時期が予定していた時期よりも大幅に遅れた。こうしたことから、2018年度には延長承認申請書を提出した。2019年3月にはすべての測定を終え、現在は両年度の課題の論文執筆を進めている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の研究課題については、英文での執筆が概ね終わった。論文校閲が終わり次第、英文誌『Journal of Human Spors and Exercise』への投稿を予定している。また、2018年度の研究課題については、データの分析と執筆作業を進め、年度内に英文誌(投稿先未定)への投稿を検討している。
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Causes of Carryover |
データ分析に時間を要したことや測定方法の見直しによる研究遂行の遅れにより、次年度は論文の校閲や雑誌投稿料などの支払いを予定している。
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