2018 Fiscal Year Annual Research Report
Practical study of health education class which introduced educational method to promote deep understanding of learning contents
Project/Area Number |
17K13205
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
久保 元芳 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (90451707)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ピア・インストラクション / 保健授業 / 中学校 / 高等学校 / 知識 / 概念 / 評価 / 発話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中学校及び高等学校の保健授業において,学習内容の「深い理解」を促すための指導法として「ピア・インストラクション:PI」を取り入れた授業実践を行い,その効果について検証することを目的とした。 2018年度は,高等学校の「社会生活と健康」単元に位置づく「食品保健にかかわる活動」をテーマとした授業実践を行った。まず,申請者と現職の高等学校保健体育科教師とのカンファレンスを開催し,前年度の中学校保健授業での実践によって示された知見や課題,高等学校の学習指導要領解説や教科用図書に示された内容等を踏まえて,授業の展開やPIの概念問題づくり等の検討を行った。それに基づき,2018年12月に関東地方の公立高等学校1校の2学年の2クラスを対象に授業実践を行った。授業効果については,学習内容に関する知識(7項目),関心(4項目)について,授業前,授業直後,授業3か月後に調査を実施してその変容を把握した。加えて,授業直後調査では,授業での思考についての生徒の主観的評価を,授業3か月後調査では,授業で学習した内容についての生活場面での活用や探求の状況を,それぞれ把握した。 授業実践の結果,PIの活動において議論した「HACCPの意義」などに関する知識問題の正答率が授業前後で向上し,3か月後まで維持されていた。また,「ニュース等で報道される食品の安全に関する問題」や「食品の安全を守るために行政が行っている取組」への関心への肯定的回答についても同様の効果が示された。また,授業において「様々な考えをめぐらせながら理解できた」や「自分なりに筋道を立てながら考える場面があった」と回答した生徒が8割以上を示した。なお,学習した内容について授業後の生活場面で活用したり探求したりした生徒が少ないながらも見られ,具体的には,食品表示の確認の習慣化や食品添加物の安全性を調べたことなどが挙げられていた。
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