2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K13206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡林 里枝 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (70526805)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Evidence mased medicine / 市民 / eラーニング / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.学習効果の評価システムの構築 eラーニングによるEBM教材を用いて学習した効果を評価するシステムの構築を行った。ウェブ上でランダム化比較試験を行い、EBM学習効果を評価できるよう、専門業者と検討を重ね、一旦完成させた。 2.評価指標の作成 まず、本研究における評価指標(知識、セルフエフィカシー、行動)について検討し、原案の作成を行った。知識については、教材で扱う18の単元ごとに4択の設問を作成するとともに、各設問にどの程度自信を持って答えたか4段階で回答を得ることとした。セルフエフィカシーについては、既存尺度の「一般向け伝達的・批判的ヘルスリテラシー尺度(以下、CCHL)」を用いることとした。行動については、本研究に対応する既存尺度がなく、また妥当な評価が難しいと判断し、評価指標に含めないこととした。 次に作成した原案を元に、一般市民14名(男性5名、女性9名)を対象に、eラーニング教材の使用前後に作成した指標について評価を行った。教材の使用前後で、知識に関する設問(18点満点)の正答数の平均(±SD)は、使用前が14.3±3.45、使用後が16.9±1.29であった。また自信を持って正答した数の平均は、使用前が10.6±3.37、使用後が15.6±3.34であった。教材の使用により点数が上昇することを確認した。さらに、分かり難いなどの指摘のあった設問の表現について、一部、改訂した。CCHLの平均点は、教材の使用前後で大きな変化は認めなかった。 最後に、作成した評価指標について、公衆衛生大学院にてEBMを既習した者(12名)から回答を得た。知識に関する設問の正答数の平均は17.8±0.45、自信を持って正答した数の平均は17.3±0.89であり、設問内容が妥当なものであると判断した。CCHLの平均点は、一般市民よりも高い(同ヘルスリテラシーが高い)傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の当初の予定は、評価システムの構築、および評価指標の確立であった。これらの予定次項を完了しており、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず構築した評価システムを用いて、少人数を対象にパイロット試験を行ない、必要に応じてシステムを改訂する。その上で、本試験を実施する。そして、統計解析を行い、結果を論文などに公表する。
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Causes of Carryover |
パイロット試験や医の倫理審査の審査結果によって、どの程度の研究システム改訂が必要となるか確定しない部分があった。そのため、パイロット試験や倫理審査の審査結果で左右され得る部分の装丁を最低限に整え、次年度の改訂用に費用を残すこととした。 発生した次年度使用額は、研究システム改訂に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)