2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K13206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡林 里枝 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (70526805)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Evidence-based medicine / Eラーニング / 市民 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
得られた研究結果をまとめ、国際学会にて発表、英語論文の執筆を行った。 本研究では、122名が研究に参加し、121名をランダム割付した(介入群62名、対照群59名)。解析対象者は、介入直後(教材使用/教材の冒頭視聴直後)は109名(介入群54名、対照群55名)、介入4週間後は96名(介入群49名、対照群47名)であり、質問への回答がなかった者等を除外した。 主要評価項目である、介入直後の知識に関する設問(18問、18点満点)に正解した回答のうち自信度で「大変自信がある」または「自信がある」と評価された回答の合計の平均値は、介入群は14.1 (SD 3.11)、対照群は11.1 (SD 3.88)であった(P<0.001)。副次的評価項目である、1)介入直後の正解した回答の平均値は、介入群15.8(SD 1.88)、対照群14.0(SD 2.40)(P<0.001)、2)介入4週間後の自信があると評価された正答数の平均値は、介入群14.4 (SD 2.64)、対照群12.4(SD 4.10)(P=0.004)、3)介入4週間後の正答数の平均値は、介入群15.9(SD 1.87)、対照群14.8(SD2.46)(P=0.016)であった。本研究結果より、教材の一定の使用効果を認めたと考えられた。 なお、健康・医療に関する社会的活動への参加状況、健康グッズを購入して後悔した経験、伝達的・批判的ヘルスリテラシー尺度での層別解析では、主要・副次的評価項目それぞれにおいて、特に交互作用は認めなかった。また、伝達的・批判的ヘルスリテラシー尺度(CCHL)の得点は、介入前後、および4週間後で、明らかな変化は認めなかった。 成果をまとめ、World Congress of Epidemiology 2021にて発表し、海外の疫学研究者との意見交換を行った。英語論文の執筆を行い、投稿作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は令和元年度に本研究を終了する予定であったが、専門業者に依頼し開発したウェブ上でランダム化試験を行うシステムにおいて、パイロット試験で時に上手く作動しない状況を認め、改修に時間を要した。また改修後に本試験を開始したところ、さらに不具合が発生し、参加者のリクルートを積極的に行えない期間が発生した。また新型コロナウイルス感染症流行により、2020年に発表予定の学会が2021年に延期になったり、論文執筆・採択に想定していた以上の期間を要するなどの状況となり、進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の公表(論文発表)、および教材の公開作業を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、論文執筆に時間を要したり、投稿後の経過が順調でなかったことがある。次年度は、研究成果の公表(追加の英文校正や論文掲載費用)、およびeラーニングのウェブ上での公開に、助成金を使用する。
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Research Products
(1 results)