2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトの動作に着目した新たなスマートヘルスサービスの効果検証
Project/Area Number |
17K13207
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
加藤 士雄 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40760260)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スマートヘルス / モーションキャプチャー / IMUセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,様々なモノをインターネットに繋げる「IoT(Internet of Things)」を用いた商品開発や学術的研究が数多く行われている.本研究課題はヒトの動作を経時的に計測し,インターネットを介して理学療法士が動作を分析し,動作に関する指導を行うことができる新たなスマートヘルスシステムの開発を目的とした. 今年度は小型のIMUセンサを用いたモーションキャプチャーを用いて,コンピュータグラフィックスによりヒトの動作を再生できることを確認した.小型のIMUセンサにはPerception Neuronを用いてワイヤレス化を行い,運動の制限が少なくすることが可能となった.モーションキャプチャーしたデータはクラウドストレージ上に蓄積し,遠隔からデータの再生が可能となっている.これにより,遠隔から運動指導を行うセラピストは指導者側の端末で再生されるコンピュータグラフィックスを観察・分析し,指導を行うことが可能である. その他,本研究にも関連する内容として,小型のIMUセンサを用いて腰痛予防を目的としたリフティング動作の解析を行った.回旋動作を伴うリフティング動作の場合,柔軟性の違いにより上部体幹と下部体幹の運動の角速度パターンに変化が生じることが示唆された.また物を持ち上げる速度を速めると,体幹の伸展と回旋動作が同時に生じ,腰部への負荷が大きくなることが示唆された.これらのことから,動作の解析にIMUセンサで計測できる角速度も有用な指標である可能性が考えられた.今後,コンピュータグラフィックスによる表示だけではなく,関節角度や関節角速度の時系列データを視覚的に表示することも分析を行う上で有益と考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由は下記の2点である.①コンピュータグラフィックスを再生する端末として,運動指導者が利用しやすいようにタブレット端末を予定していたが,現状ではPCベースでの再生となっている.②小型のIMUセンサの装着の際,時間を要することから被験者への負担が考えられる.このため,改善するように今後検討していく. いずれも,次年度の内容に大きく影響することではないが,これらの進捗状況を踏まえて,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は前年度に構築したシステムを用いて,実際に高齢者を対象とした運動指導を実施する.予定としては,札幌と東京在住の高齢者を対象として,歩行や運動トレーニング中の動作を計測し,遠隔からセラピストが動作指導を行い,ユーザビリティや運動指導後の身体機能の評価を実施する. モーションキャプチャーデバイスとして,取り付けがより容易にすむPerception Neuron Proの導入を検討し,より簡易にデータが計測できるように工夫する.
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Causes of Carryover |
国外の国際会議で発表する機会がなかったことが理由として挙げられる.今年度はデータ計測のための旅費・謝金,IMUセンサの追加購入,学会発表のための支出を予定している.
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