2018 Fiscal Year Research-status Report
日勤労働者の勤務間インターバルの規則性:その実態と問題の把握、および対応策の検討
Project/Area Number |
17K13215
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
池田 大樹 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 過労死等防止調査研究センター, 任期付研究員 (20636782)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 勤務間インターバル / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日勤労働者の勤務間インターバルの規則性の実態把握、及び不規則な勤務間インターバルがもたらす問題点を検討した。情報通信業の日勤・正社員労働者に対し、事前調査(スクリーニング)、連続14日間の本調査、事後調査を実施した。本調査の調査項目として、生活習慣の規則性尺度(SRM-5)、勤務開始・終了時刻(勤務間インターバルの時間及び中央値を算出)、就床・起床時刻(睡眠時間および中央値を算出)、睡眠の質、疲労感等を設けた。事後調査では、睡眠の質等に関する調査票(ピッツバーグ睡眠質問票、ミュンヘンクロノタイプ質問紙)やストレス・メンタルヘルスに関する調査票(職業性ストレス簡易調査、K6)等を用いた。勤務間インターバルの規則性については、14日間の本調査における勤務間インターバルの中央値に対し、SRM-5の基準を一部変更して算出した。具体的には、2週間の平均時刻と標準偏差を求め、平均値±1.5SDの範囲内のデータの平均値を改めて算出した。さらに、この平均時刻±45分以内に中央値があった日数を求め、勤務間インターバルがあった全日数で除し割合を算出した。この数値を勤務間インターバルの規則性の得点とした。 最終的に145名(男性120名、平均年齢45.3±8.6歳:平均値±標準偏差)のデータを得た。平均勤務間インターバルは14.4±0.9時間となっており、平均総就床時間は勤務日で6.4±0.9時間、休日で7.4±1.3時間であった。生活習慣の規則性を目的変数、勤務間インターバルの規則性、勤務間インターバルの長さ、年齢、性別、仕事の量的・質的負担を説明変数とした重回帰分析の結果(R^2=.122, p<.01)、勤務間インターバルの規則性が生活習慣の規則性に有意に関連していた(標準化係数=.292, p<.01)。つまり、勤務間インターバルが不規則であるほど、生活習慣も不規則であることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定通り調査を実施し、情報通信業の業種を対象とした日勤労働者の勤務間インターバルの規則性についての実態把握や不規則な勤務間インターバルがもたらす問題点を検討することができた。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果を学会発表するとともに、原著論文を執筆し、国際誌に投稿する。また、不規則な勤務間インターバルによる悪影響を低減するための方略を調査検討する。
|
Causes of Carryover |
次年度実施予定の実験準備(物品購入等)を行う予定であったが、それがかなわなかったため、その分をそのまま次年度使用する。
|
Research Products
(18 results)