2017 Fiscal Year Research-status Report
The impact of physical inactivity- and sedentary behavior-induced changes in intestinal bacteria composition on lifestyle-related diseases
Project/Area Number |
17K13216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黄 聡 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70734440)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活習慣 / 身体活動 / 口腔細菌 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、身体不活動及び座位行動による腸内細菌叢構成の変容が生活習慣病に及ぼす影響を検討することを目的とした。平成29年度は、生活習慣、握力、生化学情報に加え、口腔、糞便等の生体試料を収集した。仙台市における2126名勤労者に調査資料を配布し、578名の対象者から研究参加への同意を得た(参加率は約27.2%)。このうち、前年度にも研究に参加した者は133名であり、生活習慣、握力、と口腔内細菌に関する項目に欠損がある4人を除外した結果、追跡できる分析対象者は129名である。 前年度すでに収集した検体のうち、パイプラインが確立している唾液と今回開発した歯ブラシ液の検体についてシークエンス解析を行った。その結果、歯ブラシ液は、採取が簡便であるだけでなく、より多くの細菌叢が含まれ情報量が多いことがわかった。さらに、申請者は、前年度のデータに基づき、勤労者222名を対象に口腔内細菌と握力、健康状態、身体活動などの生活習慣との関連を分析した。研究対象者の年齢の平均(SD)は44.5歳(11.2)であり、範囲は20~69歳であった。さらに、女性は67人(30.2%)、男性は155人(69.8%)であった。多変量線型回帰分析により(年齢と性別調整済)、握力は口腔細菌のバクテロイデス門、フソバクテリウム門、およびTM7門と負の関連を示した。さらに、生活習慣や健康状態との関連性を検討した結果、口腔内細菌叢と喫煙習慣、飲酒習慣等との関連の可能性が示唆された。特に、喫煙者ではRed Complexと歯周病関連細菌が多く観察されることを確認した。一方、身体活動とRed Complexと呼ばれる歯周病菌との関連が認められなかった。これらの研究成果がスポーツ医科学の国際学会で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画は、質問紙調査および糞便や唾液などのサンプル収集を開始することであった。これまでにそれぞれの調査を進めるとともに、統計分析を開始した。現在、一部の研究結果を国際学会で発表したため、進捗状況としては概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度分の生活習慣、握力、および健診のデータがすでに揃っているが、糞便検体の解析は進行中である。糞便検体に関してテスト検体を用いて解析パイプラインを構築し、現在約200人分の検体について解析が進行中である。一方、96検体同時にDNA抽出できる手法を検討し、従来の4倍のスピードでDNA抽出が行える手順を確立した。平成30年度の早い時期に腸内細菌の構成を解析し、身体活動量と生活習慣病との関係を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初、平成29年度に実施する予定であった腸内細菌叢解析を平成30年度に行うこととしたため、次年度使用額が発生した。身体活動量と生活習慣の関連に対する腸内細菌の影響を考察するために、未完の糞便サンプル解析を本格化させることで、腸内細菌叢解析の必要経費を執行する。また、研究結果をまとめ、国際学会で発表するする予定である。腸内細菌解析費用として約100万、旅費として約20万の支出を予定している。
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Research Products
(1 results)