2018 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋幹細胞の「数」を規定する分子基盤の解明とその応用
Project/Area Number |
17K13224
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤巻 慎 熊本大学, 発生医学研究所, 特別研究員(SPD・PD・RPD) (10795678)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | サテライト細胞 / Notch2 / 自己複製 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は骨格筋幹細胞(サテライト細胞)の数を規定する分子基盤としてNotchシグナルに着目した。これまで、Loss-of-function実験系を用い、サテライト幹細胞においてNotch1およびNotch2は筋分化を抑制し、自己複製を促進することで幹細胞プールの維持に貢献していることを見出した。そこで今年度は、サテライト細胞におけるNotch恒常活性化の影響を検討した。タモキシフェンの投与によってサテライト細胞特異的にNocth2が恒常的に活性化するPax7-CreERT2;R26-LSL-N2ICD(N2Tg)マウスを作出し、実験を行なった。5日間のタモキシフェンの投与によって遺伝子改変を誘導し筋損傷を与えたところ、N2Tgマウスは膠原線維の沈着を伴う再生不全を呈した。続いて、N2Tgマウスから単一筋線維を単離して培養したところ、自己複製の促進と筋分化の抑制が観察された。以上より、Notch2は筋分化を抑制することで、サテライト細胞の休止期維持および自己複製を制御しており、その発現バランスが崩れることで筋再生不全が生じることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
骨格筋幹細胞におけるNotchの機能解析はほとんど済んでおり、さらに先のプロジェクトに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
サテライト細胞におけるNotchシグナルの機能についての解析は進展している。次年度は加齢や疾病によるサテライト細胞の機能変化とNotchの関与について検討する。
|
Causes of Carryover |
研究計画の進行に少々変更があったため、不使用額が生じた。 次年度はさらに研究を進展させる計画をしており、全額年度中に使用する予定である。
|