2018 Fiscal Year Research-status Report
心拍-運動リズム間の同期現象を応用した効果的な動脈硬化予防運動プログラムの開発
Project/Area Number |
17K13226
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹内 真太 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 助教 (10599898)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 運動療法 / 心拍数 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動脈硬化に対する最適な運動療法の方法を明らかにすることを目的に、心拍リズムと運動リズムの同期を誘発した歩行が、通常の歩行よりも動脈効果を改善するかについて検証する。方法としては比較試験を用い、運動療法を2つの方法で行い介入効果を比較する。 平成30年度はメインアウトカムである血流依存性血管拡張反応を測定する機器が研究期間内に納品されないことが確定したため、研究計画の修正のために文献レビューを行い、2つの計画を立案した。1つ目は、心拍リズムと運動リズムの同期を誘発した歩行の即時効果を脈波伝播速度をメインアウトカムとして検証する計画である。これは健常者を対象に実施する。2つ目は心拍運動リズム間の同期現象のメカニズムを解明し、より効果的な運動療法の開発につなげるために、心拍リズムを変調させている主要因について明らかにする計画である。以上2つの研究計画について研究倫理委員会へ申請し対象者のリクルート、およびプレ実験を実施した。 加えて、心拍ー運動リズム間の同期現象における加齢の影響を調査するために、高齢者と若年者を対象とし、運動負荷試験中の心拍変動成分の変化を調査した。この結果、加齢は心拍リズムの変調に影響を及ぼすことが示唆された。この報告については、研究論文として現在執筆中である。更に、単関節運動における運動負荷試験の方法を開発した。これは、歩行や走行による身体加速度の影響を除いて、心拍リズムの変調を確認するために必要である。この開発内容についても現在、研究論文として執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画のメインアウトカムである血流依存性血管拡張反応を測定できないことが確定したため、研究計画を大幅に修正した。修正した研究計画は、既に研究倫理委員会へ申請し、対象者リクルートも順調に進んでいるため、研究期間内で実施可能と判断している。修正した研究計画でも心拍-運動リズム間の同期現象に関する新たな知見を確認できる可能性が高いが、当初の目的であった運動療法プログラムの開発を達成することは困難であるため、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の3年目として、修正した以下の2つの研究計画を完遂する。1つ目は、心拍リズムと運動リズムの同期を誘発した歩行の即時効果を脈波伝播速度をメインアウトカムとして検証する計画である。2つ目は心拍運動リズム間の同期現象のメカニズムを解明し、より効果的な運動療法の開発につなげるために、心拍リズムを変調させている主要因について明らかにする計画である。 また、測定が終了した研究については、結果の公表として学術論文の執筆を進め、投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、今年度で研究のデータ測定を終了する予定であった。しかし研究計画の変更が必要となり、その結果データ測定が次年度に繰り越された。これらの理由により、データ測定時に発生する予定の研究協力者への謝金や消耗品の購入費用が次年度使用額として生じた。繰り越された次年度使用額については、修正した研究計画における研究協力者への謝金と消耗品の購入費用として使用する予定である。
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