2018 Fiscal Year Research-status Report
未就学児眼科検診における眼軸長測定装置を用いた屈折異常の検出とその有用性
Project/Area Number |
17K13249
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 司 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (20782444)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 眼科健診 / 未就学児 / 眼軸長 / 角膜屈折力 / 基準値 / 弱視 / 屈折異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,未就学児を対象に健常眼および弱視眼の眼軸長と角膜屈折力を測定し,その正常範囲と屈折異常を検出するための基準値を検討すること,また眼科検診における眼軸長測定の有用性を明確にし,屈折異常に起因する弱視の検出率向上を図ることである。 今年度は,未就学児の正常眼データを追加収集し,それをもとに設定した基準値を検証した。正常眼と定義した平均月齢63±6か月の未就学児100名200眼を対象として,光学式眼軸長測定装置AL-Scan (NIDEK)で測定された眼軸長,角膜屈折力のデータをもとに,弱視危険因子となる屈折異常を検出するための基準値を再設定した。基準値の項目は,不同視(左右の屈折差)を検出するための「左右の眼軸長差」,乱視を検出するための「角膜乱視度数」,強度の遠視または近視を検出するための「眼軸長と角膜屈折力の回帰式」とし,それぞれの項目に対する区間推定値をもとに基準値を設定した。基準値の検証には,弱視や屈折異常の有無に関わらず,眼軸長・角膜屈折力測定および調節麻痺下の屈折検査を含む精密検査を行った未就学児を対象とした。設定した基準値でスクリーニングした結果と精密検査による結果(アメリカ小児眼科斜視学会の定める弱視危険因子となる屈折異常の有無)を比較した結果,サンプルサイズはまだ少ないものの概して良好な感度と特異度を示した。次年度は検証データのサンプルサイズを増やし,基準値の有用性をさらに検証していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに目標とした,眼軸長と角膜屈折力を用いた屈折異常を検出するための基準値を設定することができ、それを検証するためのデータ取得が予定通り進んでいるため。基準値のデータとこれまでの検証結果については2019年度の国内学会での発表が決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は検証データのサンプルサイズを増やし,基準値の有用性をさらに検証していきたい。データ取得次第,早急に解析を進め論文執筆を含めた成果発表を行う予定である。また年齢で基準値を最適化することにより検出精度が向上する可能性があると考えている。基準値を作成するための正常眼データの年齢の幅を広げてサンプルサイズを増やし,年齢別に基準値の最適化を試みたい。
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Causes of Carryover |
今年度(2回目)の機器レンタル費用が前年度(1回目)よりも抑えられたため(\918,000→\864,000)次年度使用額が生じた。現在,本研究に関連する論文を海外雑誌に投稿しており,その掲載料に使用する予定である。次年度は予定通り,本研究成果を国内・海外学会で発表するための旅費,論文投稿にかかる論文掲載料等に使用する。
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Research Products
(8 results)