2019 Fiscal Year Research-status Report
子どものネットいじめを防止するための造語・隠語と文脈に対応した有害表現の自動判定
Project/Area Number |
17K13254
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西原 陽子 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (70512101)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネットいじめ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はネットいじめに関わる不適切表現を自動判定する方法を構築し、ネットいじめを減少させることである。本年度は、これまで構築した自動判定方法が与えられた時に、不適切表現を含む投稿をユーザに取り下げてもらうためのメッセージの呈示方法について研究をした。 メッセージの呈示にあたって、説得の認知反応プロセスを参考とし、メッセージの受け手が心理的リアクタンスを受けないような表現について検討をした。説得の認知反応プロセスでは、人は呈示されたメッセージにより説得を受けるのではなく、呈示されたメッセージを自らの中で反芻するセルフトークを行い、説得を受けるとされている。本研究ではセルフトーク型のメッセージを採用した。 セルフトークを起こさせるには、悪口を受け取った時の状況をユーザに思い浮かべてもらう必要がある。このときに悪口を受け取り影響を受ける人としては、ユーザ、悪口の対象者、そのほかの第三者の三通りがある。これらの組み合わせを考慮し、4種類のメッセージを作成した。 Webアンケート調査を用い、最適なメッセージの呈示方法を調査した。一般的に用いられる禁止のメッセージをベースラインとし、相手の立場にたち考えることを促すセルフトークメッセージの効果について調べた。調べた結果、相手と第三者の立場にたち考えるセルフトークメッセージが、禁止よりも効果が高いことがわかった。 不適切表現が露骨な悪口の場合には、悪口の部分を具体的に指摘した上でセルフトークメッセージを呈示することがよいこともわかった。反対に、不適切表現が露骨ではない悪口の場合には、悪口の部分は具体的に指摘せず、セルフトークメッセージを呈示することが良いこともわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実施項目を達成できたため
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Strategy for Future Research Activity |
得られた研究成果をまとめ、原著論文をまとめ、発表をする。
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Causes of Carryover |
得られた成果を次年度にある特集号へ投稿する原著論文としてまとめるが、その論文発表費に用いるため。
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Research Products
(1 results)