2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel Mg2+ imaging technique and measurement of Mg2+ concentration changes in cultured glial cells.
Project/Area Number |
17K13268
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新藤 豊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特任助教 (30449029)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 蛍光イメージング / マグネシウム / アストロサイト / グリア細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①我々のグループが以前開発したKMG-104-AsHを応用し、Mg2+選択性が高く細胞内で局在化可能なレシオイメージング法(KMG-FRETと命名)を確立し、その有用性を示すこと、および②これを含むKMGシリーズの蛍光Mg2+プローブを用いて、グリア細胞が神経伝達物質等の生体内で日常的に受け取るだろうシグナルを受けた際の細胞内Mg2+濃度変化を詳細に解析することの2点である。初年度はKMG-FRETの開発に注力したが、本年度はその細胞イメージングにおける有用性を示すデータを追加した。プローブの局在化を活かすことで細胞内の場所によるMg2+動態の違いを明らかにできること、蛍光タンパク質と組み合わせたことによりケミカルプローブでありながら長時間の安定的な測定が可能であること等、細胞イメージングにおいて既存法よりも有用であることを示し、2018年度の日本ケミカルバイオロジー学会および日本バイオイメージング学会で発表した。現在この成果は投稿論文として発表すべく準備中である。 また、本年度はグリア細胞内のMg2+濃度動態の観察も行った。ラット胎児の大脳から分散培養したグリア細胞の一種であるアストロサイトを用いて神経伝達物質を受け取った際の細胞質中のMg2+濃度変化を測定した。代表的な神経伝達物質の中でも、GABAを受け取った際には細胞内Mg2+濃度の緩やかな上昇が、セロトニンを受け取った際には緩やかな減少が観察された。この濃度変化は細胞内シグナルとして下流のタンパク質に情報を伝えている可能性や、最終的に周辺の神経細胞に対して何らかの影響を及ぼす可能性が考えられる。今回発見した現象は、その役割について今後より詳細な研究が必要となるが、脳神経系の情報処理に重要な役割を持つ現象である可能性がある。
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Research Products
(3 results)