2019 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study on disaster vulnerability and resilience in the coastal area of the Bay of Bengal
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17K13282
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
日下部 尚徳 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (60636976)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バングラデシュ / 防災 / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サイクロンによる被害が甚大なベンガル湾沿岸地域における災害脆弱性とレジリエンス(弾性・回復力)に関し、調査・研究するものである。バングラデシュにおいては1970年に50万人、1991年には14万人もの人びとがサイクロンによって命を奪われており、これらは20世紀以降に人類を襲った大型の熱帯低気圧(サイクロン、ハリケーン、台風)による人的被害の上位2位を占めている。そのため、本研究においては、サイクロン被害が甚大なベンガル湾沿岸地域の被災状況と復興過程を微視的視座から検討することにより、被害拡大要因としての災害脆弱性と、縮小要因としてのレジリエンスを構成する社会的要素を明らかにすることを目的としている。同時に、日本が積極的に取り組む途上国の防災支援に、支援の受け手である地域住民の視点を反映させることで、より現場に寄り添った防災政策に資することを目指すものである。 研究期間中は、現地調査を通じて、被害拡大要因・縮小要因の抽出にあたった。分析にあたっては、顕在化した時期と具体的な対応措置を明示した上で、社会関係資本の観点から①被災者自身で解決した課題、②被災者の社会的ネットワークを通じて対処した課題、③政府や国際機関、NGOといった外部支援を通じて対処した課題、④対処できなかった課題、に分類し、詳細を徹底的に記述するよう努めた。 研究成果は、最終年度に執筆した単著『Disaster Vulnerability and Poverty: Cyclone Damage and Resilience in Bangladesh』に加え、最終的に単著2冊、編著3冊、論文3本などの研究実績に結実した。
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Research Products
(7 results)