2020 Fiscal Year Research-status Report
エジプトのナショナリズムにおける民族概念と宗教的アイデンティティ
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17K13293
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
三代川 寛子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90614032)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エジプト / コプト正教 / 近代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウィルス感染症の流行により、参加を予定していた学会が中止になったり現地調査ができなかったりして思ったように研究が進まなかったが、代わりにこれまで滞りがちであった執筆に集中することができた。 2020年度中、“Ya'qub Nakhla,” "Tarikh al-Umma al-Qibtiya," David Thomas and John A. Chesworth, eds. Christian-Muslim Relations. A Bibliographical History, Volume 18 The Ottoman Empire (1800-1914), Leiden: Brill, forthcoming.を執筆した。これは、19世紀末にコプトの知識人の間でエジプトの歴史がどのように描かれたのかという点を論じたものであり、コプトの知識人がコプトは古代エジプト人の末裔であると主張し始めた初期の例として重要である。なお、このテーマは2019年度のMiddle East Studies Associationでの研究発表に関連するものであり、今後もう少し対象となる時代を広げて論文にする予定である。 ほかには、コプト共同体において重要な役割を担う教会指導者らに注目し、「『もうひとつの世界』を生きる―現代エジプトの修道制と修道者たち」を執筆した。また、2018年の招待講演の講演録として「コプト正教会における祭日と断食」を執筆した。ほかにも、未刊行の短いコラムや総説をいくつか執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会や出張は取りやめになったが、その代わりに執筆することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も1年くらいは出張に出られないと思われるため、オンラインの学会や研究会に積極的に参加して国内外の研究者との交流を保つとともに、執筆活動に専念する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、出張が取りやめになったため。今後は書籍の購入や英文校正の費用に充てる。
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