2018 Fiscal Year Research-status Report
ブラジルにおける地域経済発展と地域主体の役割に関する研究
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17K13296
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
河合 沙織 龍谷大学, 国際学部, 講師 (60734499)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域経済発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,(1)地域経済の発展パターンの類型化:地域経済の分類,(2)地域主体・参加型イニシアチヴの役割と効果:アクター,プロセスの検討,(3)地域経済の発展に関する実証分析,の3つの課題に取り組んだ。 課題(1)については,ムニシピオ・レベルで入手可能なデータを統合し,地域経済の分類を行った。ムニシピオ・レベルの経済的・社会的状況を整理し分析を行うことで,地域経済発展とグローバリゼーション並びに経済自由化との関係,2018年総選挙で確認されたブラジルにおける右傾化の背景を明らかにすることが可能となった。同分析結果は,3月に開催された国際シンポジウム “Political and Economic Factors Shaping Latin America in the Next Decade -Argentina, Brazil, Mexico and Comparison with East Asia-”で報告した。 課題(2)に関しては,8月中旬から9月にかけて,現地調査を行った。リオデジャネイロおよびサンパウロを訪れ,①マクロ経済および州財政が地域経済に及ぼす影響,制度の役割,②地域経済発展の動向調査(パライーバ川流域BR-116沿いの地域開発,インフラ整備の状況,サンパウロ市内の低開発地域における国際NGOの関与状況),③産業政策および地域経済発展の研究拠点について調査を実施した。 課題(3)では,課題(1)および課題(2)で得られた情報を統合し,地域経済と諸要因の関わりを定量的に評価するための変数の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題(2)の事例研究のうち,(b)地域経済市場の拡大と雇用創出,(c)ローカルな制度的変化と参加型イニシアチヴに関する現地調査は実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の課題(3)地域経済発展に関する実証分析:マクロレベル・ローカルレベル両要因による検証,の実施に向けて,課題(1)のデータに基づいたパターンの特定と類型化,課題(2)の事例研究を通じた地域共通的な要因の検討を進める。
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Causes of Carryover |
平成30年度中に2度予定していた現地調査の実施が1回にとどまった。同調査は,2019年度に実施する予定である。
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Research Products
(3 results)