2023 Fiscal Year Annual Research Report
International comparative study on the expansion process of legal rights of same-sex couples
Project/Area Number |
17K13299
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 美和 お茶の水女子大学, 生活科学部, 学部教育研究協力員 (80750992)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | パートナシップ制度 / 同性婚 / 同性パートナー / LGBTQ / SOGI |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、パートナーシップ制度の制定過程に関して、引き続き国内の自治体におけるパートナーシップ制度の検討・導入に関する新しい動向に合わせた資料収集、文献研究及び婚姻の平等と社会的承認論に関する文献研究を行った。特に、パートナーシップ制度の導入過程ついて、これまでに明らかにした推進要因と制度構築の特徴の枠組みに基づいて整理した。加えて、ファミリーシップ制度や自治体間での連携等の新たな取組の導入状況及び利用可能な公的サービス等の拡充についても整理し、当該制度の導入の効果に変化がみられる状況に関する分析を進めた。 また、同性カップルが法的に結婚することを認めていない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして婚姻の平等を求める訴訟について、2023年6月までに出た札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の地裁判決及び2024年3月の札幌高裁判決に関する資料を収集し、1)自治体レベルのパートナーシップ制度の普及状況との関連、2)意識調査等にみられる同性婚に関する国民の意識の変化との関連、3)これまでに明らかにしたアメリカ等の先行事例における論点との比較の観点から整理を進めた。 さらに、自治体レベルのパートナーシップ制度の導入の拡大及び内容の拡充や、そのことによって当該制度に婚姻と同等の法的効果がないことによる困難の可視化とその解決を求める議論の展開が、国内における婚姻の平等をめぐる議論とどのように関連しているのかを明らかにするため、社会的承認論の観点から検討するとともに、同性カップルに対する法的保障の必要性がどのように受容されたかに着目して、前年度までに整理したオランダ及びアメリカとの国際比較を行うための論点に基づき分析を進めた。
|