2018 Fiscal Year Research-status Report
Reevaluation of Frieda Hennock's Achievements and Thoughts in the U.S. Women's and Media History
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17K13302
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
志柿 浩一郎 同志社大学, アメリカ研究所, 助教 (70734630)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放送通信政策 / 政策・意思決定過程 / 連邦通信委員会 / へノックの政策 / へノックの理念および思想 / 1950年代アメリカのジェンダー観 / 1950年代アメリカ社会 / 1950年代の世界状況 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要は次の通りである。
1.へノックに関連した史料を新たに入手できた。2.FCC任期中にへノックが示した通信放送政策について、FCC全体としてどのような結論を出していたのか、またFCCが1950年代当時にどのような問題に直面していたのか明らかになった。3.へノックの史料収集において協力を得ている Schlesinger library, Radcliffe institute,Harvardにおいて、1950年代のアメリカのジェンダー観に影響を与えた他の人物の史料を発見したほか、当時の社会状況をしる上で貴重な史料も収集した。
以上のほか、へノックの史料収集過程において、FCC公聴会の議事録、およびFCC内部のメモ、アメリカ・メディア法制史においても重要なケースに関する史料、またそのケースに関連したFCCの内部史料、公聴会の記録、FCCの判断に対する連邦議会の議事録、その関連資料を入手した。へノックの思想および政策を明らかにすることを目指している本研究に直接は関係しないものの、FCCの意思決定過程、政策やその方針、アメリカのメディアに関連する法制史を知ることができた。その成果に関しては、各学会、研究会で報告したほか、学術誌においても詳細にまとめたものを報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているとした理由は、次の通りである。
1.計画通りへノックに関連した歴史資料は収集できている。歴史資料が多く、その分析は計画通り進んでいるとは言えないものの、大きな遅れはとっていないことがあげられる。2.1950年代当時のアメリカの放送業界の状況、FCCの政策方針など、へノックの資料にとどまらず多くの資料を、研究過程で収集した。その成果については研究報告が概ね進んでいることがあげられる。3.へノックに関連したことにとどまらずアメリカのメディアの法制史に関連した課題を発見し、新たな研究課題を開始する上で貴重な発見があったことが挙げられる。
そのほか、法制史ではなく、本研究の趣旨に関連した成果については報告および共有は計画通りとは言えないものの、次年度に向けた準備を現在行っており、概ねその遅れは取り戻せると考えていることなどが理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について
1.研究は概ね計画どおりに進んでいるが、その成果の共有、公開を積極的に行う。成果報告や共有に関しては、計画よりも遅れをとっているため、今後は成果の共有を重点的に行う。2.研究計画通りに研究を進めていくと同時に、その過程において収集したあたらしい史料およびあたらしい課題に関して、新たに研究を開始する。これら史料は、新しい研究プロジェクトを開始する上で土台となると考えている。3.2に関連し、現在は計画の確実な遂行を目指しているものの、並行して収集した史料の整理、分析を新たな視点で見直し、次の研究課題につなげる。4.研究成果を積極的に公開する過程で、個人の研究にとどめるのではなく教育業務に還元し、学術的な分野にとどまらず、学術分野以外において、成果をわかりやすくまとめる作業を行う。また収集した史料に基づき、へノックやその当時のアメリカの社会状況についても興味がもてるような形で成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度中、学内業務の日程および現地各公文書館、資料センターとの日程の調整が合わず現地調査の日程を変更せざるを得なかった。日程を変更した際、現地への渡航がオンシーズンと重なり、当初年2回の調査を1回にしたため、残高が生じた。次年度に繰り越した費用は、資料文献コピー依頼費、学会および研究会への参加にあてる予定である。また、2019年度の最終予備調査にあてる予定でいる。
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Research Products
(3 results)