2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Historical Study of Japanese Prostitution in Hawaii and Australia
Project/Area Number |
17K13303
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
大原関 一浩 摂南大学, 外国語学部, 講師 (00749880)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | からゆきさん / 売買春 / 移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
①昨年度にアメリカ国立公文書記録管理局(National Archives & Administration)で収集したハワイの日本人売買春に関する米国連邦地方裁判所の記録を分析し、1900年にハワイが合衆国の準州になったあと、連邦政府の移民法がどのように現地の日本人売買春に影響を与えたのか、その様相が明らかになってきた。 具体的には、19世紀後半から外国人の売買春を取り締まる連邦法は存在していたが、それらをハワイの日本人売買春女性・周旋者・雇用者に適用して取り締まるために必要な証拠を得ることは困難だった。しかし、1910年の移民法改正以降、帰化権を持たない日本人女性は、入国後に売春行為が発覚したら即送還の対象となり、売買春から利益を得た者(家主・周旋者・雇用者等)も処罰の対象となり、1910年代を通じ、ハワイにおける日本人売買春は衰退した。 分析結果をマイグレーション研究会で報告し、質疑応答のなかで、今後の課題が明らかになった:1)連邦政府の記録だけでなく、ローカルな法の適用や日本人売買春に関する議論について分析を深めること;2)売買春以外の接客業(芸妓稼業など)についても検討すること。 ②海外調査(ハワイ)を2回(夏季・春季休暇中)行い、州立アーカイブ(Hawaii State Archives)と州立巡回裁判所(O'afu First Circuit Court)において、州議会文書、図画資料、裁判資料を閲覧し、これまでの研究で未使用/十分に利用されていない資料のリストを作成した。公的記録(警察記録・裁判資料等)については、資料のリスト化を始めたが、終えられなかった。該当する資料を見つけるには、1点ずつファイルを開いて内容を確認する必要があり、すべての資料を複写するには、今後、数回にわたる現地調査が必要になる。
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