2018 Fiscal Year Research-status Report
How does temporal distance affect evaluation of tourism resource? An empirical analysis of multi-generational participatory managements
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17K13305
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内山 愉太 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (00710766)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 観光資源 / 自然資源 / 世界農業遺産 / 資源管理 / 着地型観光 / 地域運営 / 地理情報システム(GIS) / 能登半島 |
Outline of Annual Research Achievements |
論文等の成果発表においては国内外の研究者と連携し、国際学術誌に計7編の査読付き論文を発表するなど活発な研究が展開できた。学会発表については、国内での観光分野の学会に加え、韓国、スペインの観光、地域計画に関する学会にて発表を行った。また、研究成果の発信では、執筆協力者として参画した生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)のアジア太平洋地域の評価報告書が発刊された。同時に第4章の主執筆者であった国連環境計画(UNEP)の若年層向けの地球環境概況(GEO-6)も発刊され、多世代参加型の資源マネジメントの成果を国際的に還元した。特に少子高齢化が進む地域においては、多世代参加型の資源マネジメントに対する関心、ニーズが高いことが確認された。結果、本研究において構築している地域資源の分析手法を国際的に適用することに向けたアジア圏での研究者と実践者のネットワークを構築することができた。 成果には、昨年度までに収集、整備した地域資源のデータおよび、資源に対する住民意識の調査結果が含まれる。具体的には、自然資源に対する住民意識は、年齢等の属性に加えて、資源への距離等からも影響を受けることが示唆された。自然資源に関して、例えば緑地、水域等の広域に分布する資源については、そのような資源が身近に分布しているか否かということが、資源に対する評価の観点に影響を与えることが把握された。特に自然資源の機能(水源涵養、炭素固定、騒音防止等)に対する意識が資源との距離によって異なることが把握された。今後は、能登半島での観光資源で提示した分析枠組(Uchiyama and Kohsaka, 2016)を発展させ、文化的資源も含めた地域資源について、資源のアクセス性の影響を、調査対象者の他の属性も考慮しつつ解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況としては、おおむね順調である。昨年度までに収集、整備したデータの解析と、これまでの成果の一部の発表を学会において実施している。特に、資源のアクセス性と資源に対する評価の関係性については、自然資源について解析が進められており、次年度には、自然資源以外の文化的資源も含めた地域資源の解析を進める。文化的資源については、資源の分布データ等の整備を既に完了しており、解析を円滑に進められる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に資源の分布データや資源に対する住民の評価等に係るデータの収集は終えているため、GIS等を活用した分析手法を基に、解析を進める予定である。解析を進める中で、追加的に必要な調査データ等が把握された場合は、補足調査の実施を検討する。特に、資源に対する評価の背景となる情報、意識の解明については、ヒアリング等の調査も検討し、必要に応じて実施する。
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Causes of Carryover |
現地のカウンターパートとの連絡調整の結果、調査地における定性的なヒアリング調査を次年度に行うこととなり、関連した質問票による補足的な定量的調査も次年度に再度行うこととなったため。
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