2021 Fiscal Year Annual Research Report
How does temporal distance affect evaluation of tourism resource? An empirical analysis of multi-generational participatory managements
Project/Area Number |
17K13305
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内山 愉太 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00710766)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域資源 / 多世代 / 資源管理 / GIS / 世界農業遺産 / アクセス / 時間距離 / 相互理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最終年度として、これまでの調査研究の取りまとめを行うことと同時に、多世代参加型の地域資源マネジメントに有用な知見を導出すべく、異なる世代の資源管理に対する意識や、資源管理に貢献する場合に希望する作業時間、資源までの時間距離等について調査を行った結果の補足的分析を行った。結果は論文として取りまとめて発表を行い、公園や農地等の緑地に関する資源についての分析結果を報告した論文は研究期間内に国際学術誌にて採択された。特に、資源へのアクセスについて、世代とその他の個人及び世帯の属性を統合的に解析し、世代間や異なる世帯所得のグループ間での格差について考察を行った結果を取りまとめた論文についても投稿を行い、現在査読中である。新型コロナウィルスの感染拡大は、資源の管理やアクセス性に対して多大な影響を及ぼしており、本研究の開始当初は予想することが困難であった状況が生じているが、研究枠組みを適宜拡張させつつ対応することで、現状に即した提言を取りまとめることができたと考えられる。世代間での交流の機会は、コロナ禍以前よりも総じて減少する傾向もあるなかで、多世代参加型の資源管理を促進していくには、世代間の資源管理に対する認識や参加を希望する作業内容等の差異をより的確に把握、共有し、世代間で生じ得る誤解を発生しないよう事前に世代間での相互理解を進めることや、異なる視点の共有を通じて多様な資源管理の価値やアプローチ等について互いに気付きを得て、管理の促進につなげること等が有用であると考えられる。
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