2020 Fiscal Year Annual Research Report
What is the notion of "well-being" in Japan?: ethical/comparative study on "Shojiki "
Project/Area Number |
17K13323
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
板東 洋介 皇學館大学, 文学部, 准教授 (90761205)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神道 / 儒教 / 国学 / 中世思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる本年は、研究計画の通り研究成果の国際発信を行なった。その中心はスイス・チューリヒ大学の日本学研究所のプロジェクトTime in Medieval Japanに参加し、中世神道に見られる時間意識について"Medieval Mythology"と題して英文で論述を行なったことである。本稿はネイティヴチェックの上編者に受理され、本年(2021年)8月20-22日にオンラインで、また翌年(2022年)3月にはチューリヒ大学にて対面で、この原稿を元にした英語でのミーティングとシンポジウムを経たのち、欧米で論文集として出版される予定である。 また8月に「人と思想」シリーズの一冊として公刊した単著『谷崎潤一郎』では、意図的に日本の古典を踏襲した谷崎文学の発想の基底に、本研究で追及してきた古代神話的な発想が存在していることを強調し、本研究の成果を積極的に採用して論述を行なった。
また四年間の研究期間全体を通じては、日本語の単著二冊、刊行の確約された英文論文二本、国際シンポへの登壇一回、国内シンポへの登壇一回、辞典類への二項目の執筆、さらに単著にて学術賞を二回受賞と、神道と近世・近代日本思想史をめぐって積極的に研究成果を発信し、かつ学術的にも高い評価を与えられるに至った。コロナ禍により、特に"Does Eastern Nothingness Really Exist?" (ボン大学シンポ)と"Medieval Philosophy"(チューリヒ大シンポ)の論文集としての刊行計画が当初よりも遅延し、研究期間中に公刊を果たしえなかったことは残念であるが、両者ともに2022-23年中の発刊を予定している。
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