2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K13331
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
竹元 規人 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80452704)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 『尚書』 / 経学 / 皮錫瑞 / 康有為 / 今文学 / 兪えつ[木越] / 文法 / カールグレン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、昨年度に引き続いて、19世紀半ば以降のいわゆる今文学派の『尚書』関係著作を研究対象とした。魏源の『書古微』、皮錫瑞の『経学通論』中の『尚書』関係部分、『今文尚書考証』、康有為の『新学偽経考』などである。先行研究を踏まえながら、それら著作の方法および論旨をたどるとともに、その中で言及された、先行する『尚書』関係著作への評価や態度に着目し、研究傾向や見解の比較を試みた。今文および古文『尚書』に対する認識、文献に対する判断、前提となる学術史的認識、考証において着目・重視するポイント、それらの学術史的意味、などが論点である。 また、言語・文字・文法の視角からの『尚書』解釈について、研究に着手した。『古書疑義挙例』を著わした兪えつ[木越]の『尚書』に関する見解、清末から民国初期に至る中国語文法研究関係著作の把握、1910~20年代に提唱され取り組まれた、文法の観点よりする『尚書』研究を対象としている。こうした方法が、従来の文献考証的方法とどのように組み合わさり、新しさを持ったか、先行研究を踏まえつつ、検討を進めている。 昨年度に引き続き、清代~近代の学術史関係図書を収集し、今後利用しやすくなるよう整理を進めた。 以上の研究により、清末から民国初期に至る尚書学の諸相を探るとともに、昨年度までに形成されてきた、清代から近代にいたる尚書学の展開および、それを包含する形での学術史の見通しを、より具体化しつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時に定めた研究計画に従って、研究を進行したため、「おおむね順調に進展している」と評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度には、これまでに蓄積した研究内容を、報告および論文の形式で発表する。 昨年度末、新型コロナウィルス感染症の警戒に伴い行いえなかった資料調査について、実行可能となり次第行う。
|
Causes of Carryover |
パソコンの買い換え費用として予算を計上していたが、現在使用しているパソコンは購入後9年および8年を経過するものの、OSを最新にし部品交換を行うなどしてなお使用可能であることから、今年度はなお買い換えを実行しなかった。 また、2020年に入ってからは新型コロナウィルス感染症の警戒により、物品購入を含め、予算の執行を慎重に進める必要が生じたため、それに伴って次年度への繰り越しも発生した。 次年度状況が改善し次第、従来の計画に基づき予算を使用していく。
|