2019 Fiscal Year Annual Research Report
Philological Studies for Life and Death of Islamic Mystical Thought
Project/Area Number |
17K13336
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
澤井 真 天理大学, 付置研究所, 講師 (40773734)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イスラーム / 死生観 / イスラーム神秘主義 / スーフィズム / クルアーン解釈 / イブン・アラビー / 存在一性論 / アダム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、生と死に関する研究成果を、論文、研究発表、そして講演を通して世に問うた。特に、それらの研究成果の多くは海外での国際集会での発表や講演で、ムスリムたちを目の前にした英語で行われたものであり、最新の研究成果を、国際的に広く発信した。しかしながら、3月に予定していたエジプトでの追加調査については、新型コロナウイルスの拡大に伴って中止せざるをえなかった。 マレーシア国際交流基金からの招聘を受けて行った講演(Japanese Value-driven Culture and Islamicate Universal Culture: Islamic Views of Life and Death)では、日本の仏教や神道に基づく死生観を説明しながら、イスラームの死生観をクルアーン解釈から論じた。また、オーストラリア・カトリック大学において行った比較神学における国際会議では、東日本大震災においてボランティア活動を行なったムスリムたちの死生観に関する発表(Inter-faith Understanding in the Post-Earthquake Recovery: From the Perspective of Tenrikyo Theology)について考察を行った。そのなかでは、彼らのボランティアの目的が終末において楽園に行くためのものではなく、アラビア語の「ザカート」や「サダカ」として知られる他者への奉仕の精神に基づくものであったことを指摘した。この発表に基づき、英語論文(Salvation through Saving Others: Toward a Tenrikyo-Muslim Comparative Theology for Japan Today)を英語論文として掲載予定である。
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Research Products
(13 results)