2020 Fiscal Year Research-status Report
中国の王朝交替期における絵画動向をめぐって―宋代以後の遺民画家の作例を中心に
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17K13362
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
森橋 なつみ 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立美術館, 学芸員 (20795281)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中国絵画 / 遺民 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、当該研究の最終年度であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、海外をはじめとして予定していた調査や資料収集をほとんど実施することができなかった。そのため、一年の期間延長を申請し、予定していた調査等を繰り越すこととした。再調整や計画の見直しをしながら、昨年度までに収集した調査資料の整理、解読などを主としておこなった。 とくに本研究の核となる宋遺民の制作について、検討を進めた。なかでも南宋末から元初にかけて活躍した遺民画家、キョウ【龍+共】開の作品「駿骨図」(大阪市立美術館蔵)について考察をすすめた。収集した文献資料を見直すとともに、近年、再出現した北宋の画家李公麟の「五馬図巻」など、本作の特色を考察するための絵画作例との比較検討を行い、美術史学会(西支部例会、1月23日、オンライン開催)にて発表した。「駿骨図」は画馬の系譜から見るとやや異質であり、「粗」と評される点に遺民絵画としての特質をみいだすことができると考えている。キョウ【龍+共】開の活躍した元初において、彼の画は高く評価されたが、一方で世代が離れるとすぐに評価を落としている。さらに次の王朝の交替期には再評価されるなど、興味深い現象がみられる。発表を通して得られた多くの助言を参考に、さらに資料を増やして検討し、論文にまとめる準備を進めるつもりである。 以上、本年度は予定していた研究ができず、計画の大幅な遅れが出てしまった。次年度は状況の回復に期待しつつも、堅実に成果をまとめるために工夫して取り組みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染症の流行により、計画していた調査、資料収集のための出張がほとんどできなかった。本研究において、とくに中国にある作品の実見調査は重要であるため、実施時期を見計らっていたが、調整がつかず実現できなかった。国内調査についても、計画の見直しや再調整のなか、思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、十分な進捗がえられず、一年の期間延長をおこなったが、今後も新型コロナウイルス感染症の影響は続くと考えられる。海外調査が実施できればそれに越したことはないが、現状から推測するに次年度内の回復はかなり難しいものと思われる。よって、国内での調査や資料収集に主軸を移し、方法を見直しながら、現在までに得られた情報とあわせて、本研究課題の成果をまとめることとしたい。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた調査の見合わせや中止を余儀なくされたため、旅費の支出がなかった。また、計画の大幅な変更が必要となったため、一年の期間延長を申請し、本年は必要最小限の支出にとどめたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)