2020 Fiscal Year Research-status Report
戦後期「新国劇」と映画・テレビ・ラジオの相関性の研究
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17K13366
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
羽鳥 隆英 新潟大学, 人文社会科学系, フェロー (70636026)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新国劇 / 芸能史 |
Outline of Annual Research Achievements |
①劇団「新国劇」初代座長・澤田正二郎を巡り、澤田家に現存する資料群の一部をデジタル化した。研究代表者が統括した早稲田大学坪内博士記念演劇博物館2014年度後期企画展『寄らば斬るぞ!新国劇と剣劇の世界』(監修:児玉竜一副館長)に借用・出展し、学術的に特に注目された資料などを中心にデジタル化を実施した。 ②Joanne Bernardi/Shota Ogawa共編『Routledge Handbook of Japanese Cinema』に英語論文「Fugitives from the Studio System: Ikebe Ryo, Sada Keiji, and the Transition from Cinema to Television in the Early 1960s」を発表した。 ③Hideaki Fujiki/Alastair Phillips共編『The Japanese Cinema Book』(British Film Institute、2020年)並びに上記②『Routledge Handbook of Japanese Cinema』出版を記念したオンライン国際会議『Japanese Cinema from Multiple Perspectives』(日本時間2021年3月6日‐8日)に出席、第4会議「Institutions and Practices」(同7日)に登壇し、英語報告を実施した。劇団「新国劇」関係者間の社会的な関係性が不安定化した結果、研究計画の変更を余儀無くされた本研究の現況なども踏まえつつ、日本芸能史の資料調査を巡る方法論的な議論の必要性、特に博物館学などとの学際的な議論の必要性を新たに問題提起した。 ④学術論集への寄稿依頼を受け、本研究の成果である研究報告「幕末=明治維新表象と地域性:河井継之助(越後長岡藩)を事例に」(時代考証学会第12回サロン、2019年3月23日)並びに「テレビ録画研究の可能性:『中間的』映像群を巡る調査を起点に」(研究集会『ビデオの文化資源学』、2020年2月16日)を総合した研究論文を準備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被取材者である劇団「新国劇」関係者間の事情や先行の不透明なコロナ禍のため、特に聞き取り調査を中心に研究計画の変更を余儀無くされた。澤田家資料群デジタル化の実施など、研究倫理・社会倫理の下に最善を尽したが、最終的には研究期間の延長を決断した。
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Strategy for Future Research Activity |
「時代考証学会」運営委員に就任するなど、2020年度は歴史学との学際的な研究の可能性に前進を見た。現在に至る本研究の成果発信に結び付けたい。
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Causes of Carryover |
劇団「新国劇」関係者間の事情やコロナ禍のため、聞き取り調査を中心に研究計画の変更を余儀無くされ、次年度使用額が発生した。「研究実績の概要」④の深化に活用したい。
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Research Products
(2 results)