2021 Fiscal Year Research-status Report
植民地期朝鮮の公会堂における近代的催事の市民の享受の実態について
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17K13368
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Research Institution | Professional College of Arts and Tourism |
Principal Investigator |
井原 麗奈 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 助教 (70728253)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 公会堂 / 植民地期朝鮮 / 文化政策 / 文化政治 / 植民地公共性 / 催事 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は植民地期朝鮮の「公会堂」という公的な空間における近代的催事(博覧会・大会・集会・講習会・委員会・懇談会・音楽会・映画会・結婚式・葬式等) に住民がどのように参加し、それらを享受していたのかを解明するものであり、2021年度の調査は大別して以下の3点である。
①「朝鮮半島の主要都市の公会堂における催事の内容と数の分析とまとめ」東亜日報をはじめとする新聞記事を翻訳作業の終わった新義州、木浦、春川の3つの公会堂における催事を内容別、都市別にカテゴライズしてグラフ化して比較を試み、それぞれの都市にどのような特徴があるのかを検討して原稿を執筆した。投稿し、現在査読中である。人口規模、地域によっても大きな違いがあることを解明した。 ②「「文化政策」と「社会事業」の関連について」「文化政治」と「文化政策」という二つの言葉の違いについての解明を進めた。他の研究成果も多く発表されたため、それらを参考にしながら「社会事業」という視点を加えた上で原稿としてまとめ、学会誌に投稿したが再査読となったため取り下げた。文章、構成に加筆修正を加えた上で再投稿し、現在査読中である。 ③「集会場所における取締規則の変遷を日本「内地」と台湾と比較すること」コロナウィルスの感染拡大を受けて、調査方針を多少変更して新たに加えた課題だが、②の執筆作業と共に資料取集を同時並行的に進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響で調査の進まない部分もあったが、ネット上でデジタルの資料や新聞記事の検索をする、周辺の先行研究・文献を読むなど、可能な範 囲内で調査を進めた。前年度までの作業により成果を言語化し投稿することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①仁川、大邱、釜山、平壌、群山の公会堂の資料の翻訳作業は終了したが分析、原稿化が済んでいないため、その作業を行う。 ②状況を見ながら海外での現地調査を試みる。 ③学会発表、論文投稿、HPにおける調査内容の発表等を試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で移動ができず、旅費が使えなかったため。また最終的な調査内容をWebや印刷物等で報告する予定にしているが、調査が終了してい ないため、それらにかかる経費を次年度に留保した。
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