2020 Fiscal Year Annual Research Report
Formation and Transformation of Periodical Art Exhibition: Quadriennale di Roma (1931-1956)
Project/Area Number |
17K13378
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
鯖江 秀樹 京都精華大学, 芸術学部, 准教授 (30793624)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 定期美術展 / 美術批評 / 戦後美術 / イタリア / モダンアート / 芸術祭 / 文化政策 / 地域アート |
Outline of Annual Research Achievements |
予定されていた現地調査や学会発表などはすべて中止となった。したがって、これまで収集・整理に努めてきた一次資料の精読を進めた。精読の対象となったのは、ローマ・クアドリエンナーレの第1回から第7回の公式カタログ、そして各時代に新聞や雑誌等に寄せられた記事である。精読の結果として、本研究に直接関連する論文を2編(うち1編は5月末に公開予定)を最終年度に執筆することができた。 そのうち、「ローマ・クアドリエンナーレ研究--展覧会規約の改変過程から」(『あいだ/生成』第11号)では、公式カタログに掲載された「規約」の微妙だが確実な変化を解釈した。また、この論文の内容に連動するかたちで、eseachmapの資料公開機能にて、「第1回ローマ・クアドリエンナーレ展覧会規約」を翻訳・公開した。この資料体は、研究の進展に応じて今後も継続して充実させていく予定である。具体的には、本研究テーマのうちのひとつ、(B)マネジメント研究:クアドリエンナーレに関連する組織編成に関して、各回での運営上の差異や異同をマッピングしたデータを同機能を用いて公開することになる。 それに合わせて、開催地ローマの、とくに20世紀の社会、都市、教育について幅広く調査を進めた。その成果は前述の公開準備中の論文「ローマ――世紀転換期における3つの革命」(『ディアファネース』第9号)として結実したが、この研究のうち、とくに都市論にまつわる調査は、定期美術展をその年の歴史的文脈に定位することに貢献するであろう。
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