2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K13379
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
神崎 舞 摂南大学, 外国語学部, 講師 (50755444)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フェスティバル / 演劇 / 舞台芸術 / 地域研究 / カナダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、先行研究の調査及び、現地でのフィールドワークを行うことで、カナダの演劇フェスティバルの地域的特徴を明らかにし、同時にフェスティバルが地域性の構築にいかに貢献してきたのかを解明することを目的とする。 平成29年度は、カナダの演劇フェスティバルの全体像、及び代表的なフェスティバルの地域的特徴を捉えるため、カナダの演劇フェスティバルの歴史に関する資料を収集した。またフェスティバル研究においては、フェスティバルに実際に参加し、多くの作品を観劇することが不可欠である。そこで、カナダの二大フェスティバルの 1 つ、ショー・フェスティバル(アイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーに由来)にて、8作品の観劇、及びバックステージを見学した。またオタワの国立芸術センターにも足を運び、アーカイヴ・マネージャーに聞き取り調査を行った。その際、ケベック州出身の演出家ロベール・ルパージュが本センターの芸術監督を務めていた際の資料等も提供してもらった。その成果の一部を、「シーン・フェスティバル」などを紹介しながら、「カナダ連邦結成150周年を迎えたナショナル・アーツ・センターの試み」としてまとめ、『国際演劇年鑑』に発表した。また、ルパージュ作品に関する論考は「ロベール・ルパージュの『シェイクスピア三部作』における操作される視線」として『近現代演劇研究』に発表した。 さらに、横浜で開催された国際舞台芸術ミーティング(TPAM)にて、カナダを含む国内外の舞台芸術フェスティバルに関するグループ・ミーティングへの参加、及び上演作品の観劇を行った。TPAMでは、バンクーバーのプッシュ国際舞台芸術祭の芸術監督も参加していたので、直接インタビューを行い、カナダのフェスティバルに関する理解を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、フェスティバルに関する資料収集及び観劇、さらにインタビューを中心に行った。収集した資料は、まだ十分とはいえないので、平成30年度は、その点の取り組みを強化したい。ただ、研究成果は発表することができたので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究を継続し、その成果をもとに、フェスティバルの地域的特色をさらに明らかにする。29年度はショー・フェスティバルに重点を置いたので、30年度はストラットフォード・フェスティバルとの比較を試みる。そのため、各フェスティバルに関する先行文献を中心に丹念に読み込み、現地での観劇及びインタビューを実施する予定である。なお、ショー・フェスティバルに関する研究成果は、9月に開催されるカナダ学会にて発表することが決定している。また、バンクーバーの演劇フェスティバルにも参加し、さらに多角的な視点から研究を深めたい。
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Causes of Carryover |
注文していた図書の入荷が遅れ、年度内での購入ができなかったことや、その他物品の価格が予定より下回ったことから、若干の余剰額が生じた。 平成30年度も、現地での資料収集や観劇に加え、積極的にインタビュー等も行う予定である。
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