2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K13387
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
服部 温子 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 博士研究員 (60790194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蕉風俳諧 / 元禄俳諧 / 江戸俳壇 / 嵐雪 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度に引き続き、①『玄峰集』成立の背景ついての考察・②『玄峰集』諸本の調査、を進めてきた。これらに加え、30年度は③『玄峰集』の構成への影響に関する調査も進めた。 ①『玄峰集』成立の背景考察については、各俳書に散見する嵐雪発句と『玄峰集』に収められる各発句の句形を比較し、編者旨原が参照したと考えられる俳書を特定すべく調査を進めてきた。この作業に加え、30年度は旨原に影響を与えたと考えられる『芭蕉句選』『五元集』などの先行俳書との比較検討も進めてきた。しかしながら30年度中の発表には至らなかった。近いうちの発表を目指したい。 ②『玄峰集』諸本の調査については、書肆(蔵板元)の変遷や再印・再板の時期、諸本の関係などを明らかにするべく、各文庫・図書館に赴き、版本『玄峰集』の書誌調査を行った。30年度は、国文学研究資料館・千葉県立図書館・都立中央図書館・石川県立図書館・金沢市立図書館などをまわり調査を行った。当初予定していたほど調査が進まなかったため、青森県立図書館・河野美術館など遠方の文庫・図書館の蔵書で複写が備わるものについては複写を取り寄せ調査する方針に改めた。これにより時間が短縮できたため令和元年度中には全ての諸本調査を終えることができるはずである。 ③『玄峰集』の構成への影響については、『玄峰集』と『玄峰集』以後に出版された『嵐雪発句撮解』・『掌中嵐雪発句集』の関係を明らかにすべく、収録発句とその句形・配列を調べ比較検討した。順調に進んだため、近いうちの発表を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
『玄峰集』の後世への影響についての考察は順調に進んだものの、『玄峰集』成立の背景についての考察をまとめあげる作業、および『玄峰集』諸本調査が当初の計画よりやや遅れているため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
『玄峰集』成立の背景についての考察は、まとめあげるだけの段階にあるため、令和元年度中の発表を目指す。また、順調に進んだ後世への影響についての考察も発表を目指していく。諸本調査については、遠方の文庫・図書館の蔵書については複写資料の取り寄せで対応する方針に改めたので、令和元年度中に全ての調査を終えられるはずである。
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Causes of Carryover |
各文庫・図書館への調査旅行を当初の予定どおりに進めることができなかったため、使い切れず残してしまった。令和元年度は計画的に調査旅行を進めていく。
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