2019 Fiscal Year Annual Research Report
Advanced Research on "Diary Culture" in Modern Japan based on the Collection and Analysis of Published Diaries of People
Project/Area Number |
17K13397
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 祐介 明治学院大学, 教養教育センター, 講師 (40723135)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日記 / 戦争の記憶と継承 / 読書文化 / 書記文化 / リテラシー / 自己表象 / 自己語り / アーカイブズ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究活動のさらなる発展を見据え、研究会「近代日本の日記文化と自己表象」を定期開催した(第21回:2019年5月11日、第22回:2019年7月6日、第23回: 2019年12月14日)。今年度の研究会では、農村の「模範処女」としての自己表象、漆芸家のタイ滞在日記と自伝の比較、明治期の地方文壇の青年の雑誌投稿、小学校教師の日記に基づく大正期の社会教育の検討、六週間現役兵の軍隊経験、作家榛葉英治の創作活動などを主題として、活発な議論を交わすことができた。 加えて本年度は3年間の研究事業の総決算として、9月28日(土)、29日(日)の二日間、「近代日本を生きた『人々』の日記に向き合い、未来へ継承する」と題した学際シンポジウムを開催した(明治学院大学)。シンポジウムでは計14の研究報告のほか、初日の最後には特別対談企画を、二日目午前にはシンポジウムテーマに深く関わる映画『タリナイ』の特別上映企画を設けた。シンポジウムは二日間で延べ100名が参加する盛会となった。この成果を形にするため、研究報告と討議を経た学術論文の執筆を各報告者に依頼し、2020年度中に学術書としてまとめて刊行すべく、編集作業を進めている。 研究事業の成果発信と社会還元のため、代表者が管理するウェブサイト(diaryculture.com)にて、「データベース 近代日本の日記」(β版)を公開した。これは、福田秀一氏(国文学研究資料館名誉教授・国際基督教大学元教授)が蒐集した日記資料群(〈福田日記資料コレクション〉)に基づき、「戦場」「銃後「高度経済成長以降」のテーマに関わる日記資料を抽出し、データベース化したものである。現時点ではまだ750件ほどにとどまり、キーワード検索等も実装されていない。正式版公開に向けた課題として、今後も充実化に取り組んでゆく所存である。
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Research Products
(5 results)